よもやま話(116話) 「知らなかった」

よもやま話(116話) 「知らなかった」

コロナ禍が始まって3年目を迎えた今、いろいろとストレス感じる世の中になってきたように思います。そういう影響も多少あるのかもしれません。2点、ご不満を言われることがあります。

①胃がん検診の存在を知らなかった。

北九州市では2016年から、北九州市民を対象に、2年に1度、胃がん検診として胃カメラを受けることが出来ます。50歳以上の方は千円、70歳以上の方は無料です。検査を申し込む際に「胃がん検診として受けたい」と申し出て頂くだけで結構です。ただし、現在、胃の治療中の方はご遠慮ください。また、ピロリ菌の検査など、胃がんを見つけること以外の検査は出来ませんのでご注意ください。胃がんらしきものが見つかり、生検した場合のコストは保険診療になることも付け加えておきます。『市制だより』にほぼ毎回胃がん検診の案内が掲載されています。

②予約制になっているのを知らなかった。

新型コロナウイルス感染症対策の大きな柱として「3密を避ける」という項目があります。当院では待合室が密にならないように一部予約制にしています。午前中に8名、午後4名の予約枠を設けています。予約なしで診察は受けることは充分可能ですが、重なった場合は、予約の方を優先しますのでご了承ください。診察の予約は、インターネット、電話、窓口から可能です。

「知らなかった」ことに対する怒りがこちらに向いている方が時々おられます。「先に教えてくれていればよかったのに、不親切だ。」というお気持ちと想像します。ですから、胃がん検診の制度や予約の取り方など出来るだけ積極的に説明し、次回からご利用頂けるように案内しています。「知らなかった」のは他人のせいではなく、自分の不作による結果なのですが。

そもそも情報というものは、労無く手に入るものではありません。自分の時間とお金を使って手に入れるものです。ですから、テレビのスイッチを押せば流れてくるニュースなど無料のものを鵜呑みにするのは危険です(不本意ながらNHKには受診料を払っていますが)。「タダほど高いものは無い」