特殊な大腸ポリープに遭遇しました。
【患者さんの背景】70代の女性。以前、他院で内視鏡的大腸ポリープ切除術を受けたことがあり、フォローアップ目的で来院されました。当院で大腸内視鏡検査をおこなった際に、正常粘膜に覆われた「ひも状」のポリープを認め、切除しました。病理診断は、「colonic muco-submucosal elongated polyp(以下CMSEPと略します)」でした。
【言いたいこと】日本語病名が無いので、仕方なく英語表記としましたが、訳すと「大腸の粘膜・粘膜下層の長く伸びたポリープ」という意味です。CMSEPは、何らかの理由で隆起した粘膜・粘膜下層が腸管運動によって引き延ばされたものと考えられています。ここで注意しなければならないのが、憩室が反転している場合です。これは、中身は空洞ですから、ポリープ切除すれば、確実に大腸に穴が開きます。CMSEPなのか、あるいは、憩室の反転なのか、見極めることが大事です。