肥満治療薬「ウゴービ」
【患者さんの背景】40代の女性。BMI 30.7。脂質代謝異常があります。肥満に起因する健康障害として、睡眠時無呼吸症候群と脂質代謝異常を認めています。ダイエットの相談に来院されました。
【治療方針】肥満治療薬「ウゴービ」を使用する条件に当てはまったので、大学病院の糖尿病内科に紹介しました。大学病院では、2カ月毎の栄養指導を受け、6カ月経過した時点でウゴービを投与するか否か判断されます。
【解説】
作用機序:食事をすると小腸から「インクレチン」というホルモンが分泌され、それは、膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促します。インクレチンのひとつであるGLP-1と良く似た構造のGLP-1受容体作動薬(ウゴービ)は、GLP-1よりも作用時間が長く続くように作られた薬です。ウゴービは、膵β細胞だけでなく、脳にも働きかけて食欲を減退させる作用も持っています。
- 使い方:週に1回、自己注射(皮下注射)します。
- 薬代:保険適応ですので、概ね月に数千円~5千円程度かかります。
- どこで治療してもらえるか?:教育研修施設でなければならないので、大学病院(糖尿病内科)が中心になります。