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アルコール大量摂取後のケトシース

アルコール大量摂取後のケトシース

【20代男性】

自宅で独り、夕方からお酒を飲み始めて、夜通し飲み続け、翌朝まで飲んだそうです(この行動自体が考えられないです)。その日の午後から腹痛が出現し、痛みが持続するため、次の日に当院を受診されました。上腹部に強い圧痛を認め、血液検査で白血球が増えていること、エコー検査で膵臓が軽度腫大していることから、アルコール性急性膵炎の可能性が高いと判断し、大学病院で診てもらうことにしました。

翌日、血液検査の結果が返ってきたのですが、膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)は正常であり、急性膵炎は起こしていませんでした。腹痛の原因が膵炎ではないとすれば、一体何なのか? 勤務医だった頃に、アルコール性急性膵炎の際に血中ケトン体が上昇していた患者さんを集めて検討した経験から、血中ケトン体を調べてみました。結果は、1,000μmol/L以上(正常値の10倍)と異常な高値を示しました。

アルコールの大量摂取によってケトーシスが起こる原因は、①肝臓がアルコールを分解する際に糖新生(ブドウ糖を作り出す機能)をストップさせてしまう。②長時間にわたる飲酒の際におつまみを十分摂らなかった場合(飢餓状態)では肝臓のグリコーゲンが無くなってしまう。③ブドウ糖が枯渇したことで、体脂肪を分解し遊離脂肪酸を血中に放出します。血液から肝臓に運ばれてきた遊離脂肪酸がケトン体になり、血中に放出されます(ケトーシス)。高濃度のケトン体が胃腸の動きを低下させることで腹痛が起こります。

お酒はおつまみを食べながら、ほどほどにしておくことが大切ですね。

 

*検査会社は、しばらくの間、血清を凍結保存しておいてくれるので、後日、検査の追加が出来ます。