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ESBL産生菌

ESBL産生菌

先日、膀胱炎を繰り返す患者さんの尿培養検査を行ったところ、ESBL産生型の大腸菌と判明しました。薬剤感受性試験では、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質はすべて耐性(効かない)であり、カルバペネム系抗生物質などがわずかに「感受性あり」と判定されました。

ESBL:Extended-Spectrum β-Lactamase 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ

β-ラクタマーゼとは、ペニシリンやセフェムなどの抗生物質にある「β-ラクタム環」を破壊する酵素のことです。この酵素を持った菌をESBL産生菌と呼びます。ESBL産生菌は、薬剤耐性菌の代表格として問題視されています。

ESBL産生菌は大腸菌や肺炎桿菌に多く検出されます。今回のように『繰り返す膀胱炎』という現病歴から抗生物質が効きにくいことが想定される場合は、ESBL産生菌を意識して抗生物質の選択をすることが大事です。

ESBL産生菌は、他の菌にその能力を直接受け渡すことが出来るため(水平伝搬)、別の菌までもESBL産生菌に変貌させる能力を持っています。

ESBL産生菌に対する有効な治療は、次の2つです。

① カルバペネム系抗生物質のようなβ-ラクタム環を持たない抗生物質を投与する。

② β-ラクタマーゼ阻害薬を投与する。この抗生物質は、β-ラクタマーゼの働きをブロックし、β-ラクタム系抗菌薬が分解されるのを防ぎます(オーグメンチンなど)。

 

【言葉の整理】ややこしくなってきたので・・・

細菌の立場から:β-ラクタマーゼ、ESBL産生菌

抗生物質の立場から:β-ラクタム環、β-ラクタマーゼ阻害薬