次の内視鏡検査はいつ受けるべきか?

定期点検!胃カメラや大腸カメラを受けた方の最も多い質問のひとつに「次はいつ検査を受けたらいいですか?」というのがあります。
内視鏡関連のガイドラインにも検査の間隔を明記したものはありません。答えに困るのですが、せっかくの質問ですから、自分の考えを話しています。

① 過去に一度もピロリ菌感染していない胃
萎縮性胃炎もなくピロリ菌感染もしていなければ、胃潰瘍や胃がんになるリスクは非常に低いので、3年後で良いのではないでしょうか。一般に、胃がんが内視鏡検査でわかる大きさに育つのに平均3年かかると考えられていることから、3年間は大丈夫でしょう。ピロリ菌のいない方に胃底腺ポリープをたびたび見かけますが、胃底腺ポリープはがん化しないと考えてよいので、経過観察は不要です(ただし、胃底腺ポリープががん化した症例報告もあります。例外的なことを気にしていたらキリがないですから)。

② ピロリ菌除菌後
除菌によって胃がんのリスクはかなり低く抑え込まれます。除菌の時期が若ければ若い程、胃がんの予防効果は大きいとされています。内視鏡学会は、除菌によって胃がんが100%予防できるわけではないので、除菌後も定期的に内視鏡検査を受けることを必ず患者さんに伝えるように勧告しています。そうはいっても、せっかく除菌に成功したのだから、少しは内視鏡検査から解放させてあげたい気持から私は「2年後」の検査を勧めています。ただし、萎縮性胃炎が非常に強い中高年の方には、「1年後」の検査を指示しています。

③ 早期の食道がんが疑われる場合
早期食道がんはわずかな粘膜の変化を来すのみで、見つけること自体が非常に難しいがんです。しかし、がんが粘膜内に留まっていれば、内視鏡治療の絶対的適応となりますので、是非この状態で見つけ出したいものです。食道がんが粘膜内に留まっている期間は1年程度と考えられていますので、「1年以内」の再検査を指示しています。

④大腸ポリープ切除(ポリペクトミー)をおこなった場合
当院では、1年後に再検査をし、1年後に何も異常が無ければ、その後は2年あるいは3年後の検査を提案しています。通電しないで切除するコールドポリペクトミーの場合には、1年後の検査をとばして、2~3年後の検査を提案しています。コールドポリペクトミーの対象が比較的小さな良性のポリープだからです。
最近、Japan Polyp Study という日本の研究グループ(*)から大腸ポリープ切除後の検査間隔に関する研究が報告されました(**)。これは、1年以内に2回の大腸内視鏡検査をおこない、すべてのポリープを切除した後に、年後と3年後の2回検査をする群と3年後に1回検査をする群に分けて3年後の再発を検討したところ、両群の間に差が無かったという報告です。
大腸は長く屈曲が強い上に、ひだが立っていますから、見落としがある程度出てきます。そこで、2回検査をして異常なければ、「クリーンコロン」といって異常ないと判断して良いことになっています。ですから、最初に1年以内に2回検査(治療)をするわけです。そして、その後の検査は「3年後」で大丈夫だったという結論です。
奇しくも、当院でおこなっている検査計画とほとんど同じプロトコールであり、その上、その方法が正しいことが証明されました。偶然とはいえ、とても自信になりました。

(*)国立がん研究センターを中心とする全国11の医療施設
(**)内視鏡的大腸ポリープ切除後のサーベイランス間隔に関するランダム化比較試験:Japan Polyp Study <Gut 2020>

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