消化器病と電解質異常(1)

グリチルリチンと低カリウム血症

血液は赤血球などの血球成分と蛋白質などの血漿成分からなります。
血漿の中には電解質と呼ばれるイオンが存在します。その代表的なものがナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)などです。
このシリーズでは、一見無関係にみえる電解質と消化器病との関わりについてお話します。

第1回目は「グリチルリチンと低カリウム血症」です。

肝臓病の治療薬である「小柴故湯(しょうさいことう)」や胃炎の治療に用いる「六君子湯(りっくんしとう)」など、消化器病と漢方薬は深いつながりがあります。ところで、ほとんどの漢方薬には甘草(カンゾウ)が含まれています。甘草の有効成分であるグリチルリチンは、ヒポクラテスが活躍した紀元前の時代から、抗潰瘍薬や抗アレルギー薬として用いられてきました。グリチルリチンは体内では活性型のグリチルリチン酸となり鉱質コルチコイド様の作用をしまします。すなわち、体内に水やNaが貯留し、体重の増加と血圧の上昇をきたします。一方、Kの排泄が増すために低K血症を引き起こします。低K血症は周期性四肢まひ、脱力感、筋力低下、ミオパチーなどの症状を来し、尿の濃縮力を低下させます。

昭和の時代、「森下の仁丹」が人気でしたが、仁丹にもこのグリチルリチンが入っており、仁丹の取り過ぎで低K血症になった報告もあります。

なお、Kは野菜や果物(りんごやバナナ)に沢山含まれています。

【おまけ】20年以上も前のことです。急に立てなくなり緊急入院した患者さんを受け持ちました。
詳しく調べていくうちに漢方薬による低K血症が原因とわかりました。
グリチルリチンによる低K血症に興味を持ち、このような症例をまとめて報告しました(1991年 腎と透析)。
以降、電解質異常に興味を持ち続けています。

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