消化器病と電解質異常(9) 

「アミノレバンと高カリウム血症」

肝臓が機能不全状態に陥った時、精神状態や行動に異常を認めることがあり、「肝性脳症」といいます。
その治療のひとつに特殊アミノ酸製剤(商品名:アミノレバン)の点滴があります。
肝性脳症では肝臓に有用な分岐鎖アミノ酸の比率が低下しているため、分岐鎖アミノ酸を多く含んだアミノレバンを点滴するわけです。
その結果、脳症が速やかに改善されます。

毎日のように「肝性脳症」を繰り返す患者さんがおられました。
その都度、アミノレバンの点滴をおこなっていました。
速効性があるため、つい連用してしまっていたのです。2週間ほど経過した時、高カリウム血症を来たしました。

最初、なぜ高カリウム血症になったのか分りませんでした。
酸-アルカリ平衡を調べてみると、クロール(Cl-)が増え、重炭酸(HCO3-)が減少していました(HCO3- とCl-の和は一定なのです)。
HCO3-が減少すると、代謝性アシドーシスになります。
アシドーシスを補正しようと、血中のH+は細胞内に移動しますが、代わりに、K+が細胞内から血中に移動するために、高カリウム血症になったのです。

アミノレバンの成分表を確認してみると、1Lあたり、Na 14に対して、Cl 94とClの含有量が多いことに初めて気付きました。

安易にアミノレバンの点滴を繰り返したことを反省し、漫然と使うことは決してしないようにしました。

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