医療に関するお話 「症例検討会」
勤務医だった頃は、「症例検討会」という勉強会がよくあっていました。
通常の業務が終わった後、会議室で内科の医師を中心に集まり、診断に苦慮した患者さんの検討などを行なう勉強会です。
主治医が、他の先生方に、病状の経過や、検査の結果、治療方針などを説明します。そして、みんなの意見を仰ぐわけです。同じ内科医でも、専門が違っていたり、その病気の患者さんを診た経験があったり、あるいは、まったく違った角度から問題点を見つけたりします。多くの医師が、さまざまな意見を言うことはとても、興味深く、勉強になります。また、自分の意見が評価されたりすると、さらに、勉強しようという励みにもなります。こういった会議では、司会者の技量が大きくものを言います。また、責任者（一般には、部長や教授）の重みのある一言が会をより有意義なものに導いてくれます。検討会で自分が症例を提示するとなると、その準備が大変です。資料の整理だけでなく、その病気に関する知識も必要です。いろいろ、勉強しておかなくていけません。
しかし、これらの会議はまったく苦痛ではなく、知識欲を満たしてくれるために、むしろ、楽しみなことです。現在では、他病院からの自由参加が可能な場合が多くなっています。