大腸smがん

大腸粘膜の層構造初期の大腸癌は内視鏡治療(ポリープ切除)で完治します。一方、進行した大腸がんは外科的手術が必要です。内視鏡治療か手術か、その境目になるのが「smがん」です。smとは「粘膜下層」という意味です。

大腸の壁は、内側から、①粘膜固有層 ②粘膜下層 ③固有筋層 (④しょう膜下層) ⑤しょう膜 の5層構造になっています。①と②の境には「粘膜筋板」といわれる薄い筋肉の層があります。
がんの深さが①までであれば内視鏡治療を選択します。
がんの深さが③④⑤まで及んでいれば(シェーマの黄色のラインより下)、外科手術が必要です。

問題は②粘膜下層にがんが及んでいた場合です。
内視鏡でポリープ切除をしたけれども、さらに外科的切除が望ましいとされているのは、
A.垂直断端が陽性(がんが切除断端に露出していることを言います。)
B.摘出標本で以下の一因子でも認めた場合
① 粘膜筋板から1,000μm(=1mm)以上
② 脈管侵襲陽性
③ 低分化腺癌、印環細胞癌、粘液癌
④ 浸潤先進部の簇出(しゅうぞく)がグレード2以上(グレードは0~3)*簇出とは、がん細胞のばらけ具合を言います。グレードが高いほど、ばらけ具合が強い。

先日、70代女性に大腸ポリープ切除をおこなったところ、smがんと診断されました。ポリープ切除によって完全にがんは取り切れていたのですが(Aはクリア)、粘膜筋板からがんの最深部までの距離が2,000μm(=2mm)ありました。また、切除標本の詳細な検討の結果、脈管侵襲陽性と診断されました(Bの①と②が該当)。その後、リンパ節郭清の目的で外科手術が行われました。

Leave a Reply


Social Widgets powered by AB-WebLog.com.