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「開院10周年シーズン3」①大腸smがん

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。日常生活においては、思いがけないことが起こることがあります。また、検査や治療においても、予期せぬ結果を招くことがあります。今回のシリーズでは「アクシデント」や「偶然」がもたらしたお話です。
初期の大腸癌は内視鏡治療(ポリープ切除)で完治します。一方、進行した大腸がんは外科的手術が必要です。内視鏡治療か手術か、その境目になるのが「smがん」です。smとは「粘膜下層」という意味です。

smがんが内視鏡治療だけで大丈夫と言えるためには、がんの最深部が粘膜筋板から1,000μm(=1mm)未満であること以外にもいくつかの条件があります(大腸がん治療ガイドライン)。
① 高・中分化型のがんであること(おとなしいがんという意味です)
② 血管やリンパ管へのがんの浸潤がないこと
③ 最深部でのがん細胞の散らばり具合が低いこと

これらの条件をすべて満たせば、smがんであっても、がん細胞のリンパ節転移はほとんどないことが確認されており、内視鏡治療で完結してよいことになっています。しかし、ひとつでも条件を満たさなければ、外科的手術をするべきです。

先日、50歳代の患者さんで大腸ポリープ切除をおこなったところ、smがんであることが判明しました。ガイドラインの内視鏡治療の適応条件はすべてクリアしていましたが、ご本人の希望により、追加の外科的手術を受けて頂きました。その結果、意外にも所属リンパ節にがんの転移が1か所見つかったのです。もし、内視鏡治療だけで終了していれば、リンパ節に転移していたがんが数年後には大腸がんの再発を来していたと思います。考えただけでぞっとしました。医学には例外がつきものですね。

結局、内視鏡治療というのは「摘除生検」にしかすぎないのです。完全にがんが取り切れたと思っても、見えない所のことは判らないのです。内視鏡治療を選択した場合は、厳重な経過観察が必要であることを再認識しました。

あとがき】smがんは内視鏡治療か、外科切除か、常に悩ましいですね。原則、『大腸癌治療ガイドライン』に則って治療方針を決めるわけですが、この方の様に、ガイドラインに逆らって手術を選択したことが正解ということもあるわけです。リンパ節転移が1個でもあれば、癌の病期はステージⅠから一気にステージⅢに上がります。ステージⅠであれば、局所切除だけでいいのですが、ステージⅢであれば、所属リンパ節の郭清および術後の抗がん剤投与(6か月間)が一般的です。治療内容も大きく変わりますし、5年生存率も違います。当院では、smがんで念のために追加切除術を受けて、リンパ節転移が見つかったのはこの方を含め2人いらっしゃいます。追加切除を受けるか否か、毎回、迷います。

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