バレット食道がん

バレット食道がん

バレット食道とは、下部食道の扁平上皮が円柱上皮に置き換えられた状態を示します。

【症例】80代男性。

食事が喉を通りにくくなったため来院されました。胃カメラでは切歯から35cmの所に食道と胃の粘膜境界(SCJ)を認め、その10cm奥に全周性の腫瘍(がん)を認め、これが通過障害の原因と判明しました。ルゴールを散布すると、SCJから腫瘍までの10cmの範囲は予想通りルゴールに染まりませんでした(正常な食道粘膜はルゴールに染まります)。すなわち、かなり広範囲のバレット食道に食道がんが発生したわけです。なお、患者さんは手術を受け、元気になっておられます。

【学んだこと】

バレット食道は内視鏡検査例の10~20%と考えられています。

バレット食道にがんが出来る確率は10%程度(年間0.5%)と考えられています。

食道がんにおける腺癌の割合は1~4%と報告されています。

いずれにして、比較的まれな病態に遭遇したわけです。バレット食道が、がんのハイリスクグループであることは承知していましたが、実際に自分が診断したのは初めてでした。

【一言】

バレット食道について医学書を読む際に、どうしても、食道胃粘膜境界(SCJ)と食道胃接合部(EGJ)の定義について理解を深めておく必要があります。今回の経験で、SCJ、EGJおよびバレット食道の関係が明確になり、以前から自分の中でくすぶっていたモヤモヤが消えてスッキリしました。