医療に関する話 「世界初」の裏話

ファーター乳頭切開術胃カメラを使った難しい治療のひとつに「ファーター乳頭切開術」というものがあります。肝臓でつくられた胆汁は総胆管を通って十二指腸に流れていきますが、総胆管が十二指腸に開口している所をファーター乳頭と呼びます。総胆管に胆石が詰まった場合には、特殊な胃カメラを使って、このファーター乳頭を切開し、胆石を掻きだすことが出来るのです。
 このファーター乳頭切開術は今から30年ほど前に、日本のK教授が世界で初めて成功させました。しかし、実際はその部下のN先生が発明した治療なのです。これは、N先生から直接聞いた実話です。当時、あるご高齢の患者さんが総胆管結石で苦しんでおられました。心臓に持病があり、開腹手術には耐えられない状態でした。このままでは命が持たなかったため、N先生は日頃からあたためていたアイデア「胃カメラを使ってファーター乳頭を切開し、総胆管結石を取り出す」という大胆な治療方法を家族に話しました。家族の快諾を得て、ファーター乳頭切開術を敢行しました。切開用のナイフはN先生の手作りです。治療は大成功に終わり、患者さんは助かりました。
 N先生はこの治療内容を英語論文にまとめ、K教授の所に持っていきました。しばらくして論文が医学雑誌に掲載された時には、著者はN先生ではなくK教授になっていました。K教授が胃カメラを触ったこともないことはその病院の誰もが知っていました。そういう時代だったのですね。

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