消化器病と血液疾患(2)

胃がん、大腸がんと鉄欠乏性貧血

貧血の中で最も頻度の多いのは鉄欠乏性貧血です。胃や大腸などの消化管からの慢性的な出血による鉄欠乏性貧血は、日常診療でたびたび遭遇します。鉄欠乏性貧血は小球性貧血であること(MCVが80以下)、血清鉄が低いこと、鉄結合能が増えていることなどが特徴です。なお、鉄欠乏性貧血では、上部食道に「ウェブ」と言われる水掻きの様なヒダが出来ることがあると医学書に記されていますが、まだ見たことがありません。

男性の鉄欠乏性貧血の原因割合(日本鉄バイオサイエンス学会より引用)① 閉経前の女性の貧血は生理によるものがほとんどですが、男性の貧血は危険です。胃腸以外の出血(鼻血や血尿)で貧血になることはまずありません。男性の方は貧血を指摘されたら、是非、胃腸の検査を受けることをお勧めします。

② ヘモグロビン(Hb)値は正常範囲でも、経時的に検討することが必要です。正常範囲でも、以前よりも下がっていれば要注意なのです。
Hbがいつも15g/dlあった方が、数年で14g/dl, 13g/dlと下がってきました。まだ正常範囲ではありましたが、検査を受けて頂いたところ、大腸がんが見つかった経験があります。

③ Hbは高齢の方では下がります。そもそも、若い人も高齢の方も正常範囲が同じということに無理があります。高齢になれば、骨髄の造血機能が低下します。
正常値をそのまま高齢の方に当てはめれば、健康な高齢の方の多くが「貧血症」という病気になってしまいます。

【おまけ】いろんな健診のデータを見せて頂くことがありますが、どこの健診機関も一律、「正常範囲であれば正常」という紋切り型の判定です。1年、2年前のデータも併記されているにも関わらず、経時的に比較した検討がなされていないことは残念です。

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