背部痛→心窩部痛→腹部大動脈瘤

【60代男性】腹部大動脈瘤
1週間前に強い背中の痛みが発症し、ペインクリニックを受診されました。局所に注射を打ってもらい、痛み止めを処方されました。その薬を内服したために心窩部痛が出現したと当院を受診され、胃カメラを希望されました。病状を聞きながら「痛み止めによる胃潰瘍」を想定し、『痛み止めは胃に悪いから、極力飲まないように。』と説明し、胃カメラの予定を入れました。
❷『胃カメラで確実な診断がつくから、今日は話を聞くだけで良いかな。』と思って診察を終わろうとした時、患者さんから腹部の診察を求められました。そこで初めてお腹の触診をしたのですが、ヘソの辺りに可動性の無い鶏卵大の硬いしこり触れました。エコーで確かめると、8x5cmの腹部大動脈瘤でした。
❸気に留めていなかった血圧は180/120mmHgと異常高値です。動脈瘤の切迫破裂によって、「背部痛」→「心窩部痛」と痛みの性状が変化したのであれば、とても危険な状況です。頭の中を切り替えて、直ぐに循環器内科医に診てもらうように手配しました。
❹CT検査の結果、腹部大動脈瘤が確認されました。直ちに「人工血管置換術」が施行され、無事に退院されました。
和やかな雰囲気が大事ですね。
【あとがき】
今回の診療ではいろいろ反省することがありました。
・患者さんの話にそのまま乗っかてはいけない。
・胃カメラを予定していても、お腹の触診をする。
・バイタルチェックをきちんと確認してから診察を始める。等々。
特に、患者さんがお腹の触診を希望されたことがポイントでした。患者さんが何でも言い易い雰囲気をつくることが大切ですね。

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