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開院10周年記念 シーズン2 ⑤抗リン脂質抗体症候群 

月曜日, 8 月 5th, 2019

開院10年間で経験した印象深い病気を患った患者さんをご紹介したいと思います。なるべく、ご本人が特定されないように注意して書きました。

お腹の血管はアーケードを形成しています。40代女性
1週間ほど前から続く上腹部痛のために来院されました。痛みの程度はうずくまるほどの激痛では無いけれど、これまで経験した胃の痛みよりは強い。という感じでした。エコー検査で胆石は無く、胃カメラでは胃潰瘍を認めませんでした。検査の結果を説明している間も、自然に手がお腹に行ってしまっており、痛みの深刻さが伝わってきました。その日のうちに腹部CT検査を受けてもらった結果、腹腔動脈と上腸間膜動脈の起始部での血栓による閉塞が確認されました。どちらもお腹の大事な血管です。閉塞部位を迂回する血管のバイパス手術が施行されました。
当院で採血していた保存血液で「抗カルジオリピン抗体」が陽性と判明したことより、血栓の原因は抗リン脂質抗体症候群だと思います。なお、確定診断を付けるためには12週間以上間隔をおいて再度、測定することが必要です。

抗リン脂質抗体症候群は、血中に抗リン脂質抗体と呼ばれる自己抗体が、様々な部位の動脈血栓や静脈血栓を来す疾患です。脳で起これば、脳梗塞が発症しますし、末梢動脈の閉塞では皮膚潰瘍が、網膜の血栓では視野異常失明を来します。今回、腹腔動脈と上腸間膜動脈の閉塞という非常に大きなトラブルにもかかわらず、内臓に大きな障害が出なかったのは、腹部の動脈がお互いに血流が行き来できる「アーケード」を形成しているためではないかと考えます。
なお、リン脂質抗体症候群は「習慣性流産」の既往が有名ですが、この方の場合、定かではありません。診察した際に、確か妊娠線は無かったと記憶しているので、出産の経験が無いかもしれません。
この病気の原因は不明であり、治療は抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)の内服による血栓の予防しかありません。再発率は高いようです。

原発性の抗リン脂質抗体症候群は日本に5,000~10,000人程度いると推定されています。“1万人に1人“というかなりまれな病気です。それだけに、強く印象に残る経験でした。

開院10周年記念 シーズン2 ④大腸カメラ後の虫垂炎

日曜日, 8 月 4th, 2019

開院10年間で経験した印象深い病気を患った患者さんをご紹介したいと思います。なるべく、ご本人が特定されないように注意して書きました。

最近、この人、何回も出てきてます。【20代の方です】
腹満感や便通異常の精査目的で大腸カメラを受けて頂きました。検査は、通常通り終了し、大腸に異常を認めませんでした。
検査後からお腹の張りを自覚していたのですが、徐々に悪化したため、検査後5日目に来院されました。盲腸の部位に一致して圧痛を認め、血液検査でも白血球が増えていることから、大腸カメラが誘因となった虫垂炎と判断しました。
それほど、強い痛みではなかったため、抗生物質で経過をみることが出来ました。

大腸カメラの前処置で飲む下剤の影響で糞便が虫垂口に詰まったり、検査の際の送気が刺激になったことで、大腸カメラ後に虫垂炎を起こすことがまれにあります。
今回も、そういった経緯であろうと判断し、慌てることなく、診察できました。

文献を調べてみますと、色々な報告がありました。
・大腸カメラの後に腹膜炎を来したが、原因は、虫垂に魚の骨が刺さったためであった。

・大腸のポリープ切除をした後に、大腸の穿孔を来し緊急手術になったが、穿孔の原因はポリープを切除したためではなく、虫垂炎が破れたためであった。
などなど。

大腸カメラの後に虫垂炎をおこすことがある。」ということを知っていなければ、検査の後の腹痛に主治医が動揺し、その後の対応を誤り、患者さんに余計な不安(又は怒り)を与えることになります。知識(経験)が大事であることを改めて感じました。

開院10周年記念 シーズン2 ③ナットクラッカー症候群

土曜日, 8 月 3rd, 2019

開院10年間で経験した印象深い病気を患った患者さんをご紹介したいと思います。なるべく、ご本人が特定されないように注意して書きました。

ナットクラッカー症候群の解剖図!

ナットクラッカー症候群とは、左腎静脈(LRV)が大動脈(Ao)と上腸間膜動脈(SMA)に挟まれることによって、腎臓から下大静脈への血流が悪くなり、左腎静脈圧が高くなる病態です。一般的には、血尿や左側腹部痛の症状が出ます。

ナットクラッカー症候群は私が好きな病態のひとつです。なぜなら、完璧に思える人間の肉体で、数少ない構造的な弱点のひとつなのですから。

大学病院勤務時代、ポリクリの学生さんに「腹部エコー」のベットサイドティーチングを担当していました。その時に、必ず、このナットクラッカー症候群を紹介していました。しかし、医師になって30年間、一度もお目にかかったことが無かったのです。

先日、腹痛の患者さんのエコー検査をした際に、左腎静脈の拡張と大動脈をまたいだ後の急な細まりを見つけました。「これは、ひょっとして。」と胸の高鳴りを覚えました。腹部CT検査を受けて頂き、診断が確定しました。今後の治療は、大学病院にお任せしましたが、とても大きな充実感を得た出来事でした。

開院10周年記念 シーズン2 ②「解離性動脈瘤」

金曜日, 8 月 2nd, 2019

開院10年間で経験した印象深い病気を患った患者さんをご紹介したいと思います。なるべく、ご本人が特定されないように注意して書きました。

赤い血管が大動脈です。今回は、『的確な診断には詳細な病癧の聞き取りが必要である。』というエピソードです。

40代の女性。1週間前から肩甲骨の辺りが痛くなり、数日後には、上腹部が痛くなりました。昨日あたりから腰も痛くなり、当院を受診されました。
血圧が170/110 mmHg に上がっていましたが、「痛みのためかな」と思い、それ程、気にかけませんでした。
エコー検査で15mmの胆石を2個認めましたので、「胆石による腹痛」と判断しました。胆石では度々、肩甲骨辺りが痛くなりますから。ただし、胆石が胆嚢の頚部に詰まっているわけでもなく、胆嚢炎の所見も無いので、「本当に胆石が原因かな?」という疑問は残りましたが、精査治療のために救急病院を受診して頂きました。

救急病院でCT検査を受けた結果は、意外にも「解離性大動脈瘤」との診断でした。痛みは、解離の生じた部位(肩甲骨辺り)から解離の進行に伴い、腹部から腰部へと移動していったわけです。

①痛みの場所がドンドン移動している。
②普段は高血圧ではないのに、血圧が上がっている。
③胆石はあるが、食事の時間や内容と関係なく痛みが出現している。エコー検査でも、石が詰まったり、胆嚢炎をおこしている所見が無い。

このように、冷静に考えれば、十分「解離性大動脈瘤」は想像される疾患でした。紹介状に「解離性大動脈瘤の疑い」と書けなかったことがとっても悔しいですが、患者さんが元気になられて何よりでした。

開院10周年記念 シーズン2 ①「伝染性単核症」

木曜日, 8 月 1st, 2019

開院10年間で経験した印象深い病気を患った患者さんをご紹介したいと思います。なるべく、ご本人が特定されないように注意して書きました。

伝染性単核症はEBウイルスに感染することによって発症する病気です。高熱、リンパ節腫脹、喉の痛み、肝機能障害、などが主な症状です。唾液を介して感染することが多いことから俗に「kissing disease(キッシング病)」とも言われています。

39℃でた!先日、数日間の高熱の後に、瞼(まぶた)がむくんだために来院された方(10代)がいらっしゃいました。

まず尿を調べると、蛋白が出ています。血液検査では白血球が増えています溶連菌感染後ネフローゼ症候群をおこし、瞼が腫れているのではないかと推理しながら診察を進めました。血液検査では肝機能障害を認めました。エコー検査では脾臓が腫れ、胆のう壁も肥厚していました。血液検査結果から、当初、想定していたネフローゼ症候群は否定されました。しかも、瞼の腫れと胆のう壁の肥厚がどう関係しているのか説明できません。正直、混乱してしまいました。白血球増多と脾臓の腫れから最悪の場合、「白血病」の可能性があるかも知れないと考えました。念のために、大学病院の血液内科で診て頂くことにしました。

その結果、リンパ球の半分以上が『異型リンパ球』であり、(後に判明したことですが)EBウイルスに初感染のパターンのウイルス抗体価を示したことで、伝染性単核症と診断されました。紹介状に「伝染性単核症の疑い」と書けなかったことが、口惜しかったのですが、患者さんが1週間の入院で元気に退院されたので、兎に角、良かったです。

文献を調べてみると、伝染性単核症でまぶたが腫れることが、確率は低いものの、在るのですね。初めて知りました。なぜ、まぶたが腫れるのかは、分かっていないようです。また、本疾患で胆のう壁が肥厚することも稀ながら報告されていました。

(〇)発熱 90%以上
(〇)首のリンパ節の腫れ ほぼ100%
(〇)喉の発赤 80~90%
(☓)肝臓腫大 50~90%
(〇)脾臓の腫大 30~75%
(☓)発疹 30%程度
〇)眼瞼浮腫 10~30%
〇)胆のう壁の肥厚 非常にまれ

〇印:本例に当てはまる。☓印:本例に当てはまらない。

「瞼が腫れている」という事象に惑わされて、確定診断に至るまでに遠回りをしてしまいました。伝染性単核症は教科書どおりではない、非典型的な症状や経過を辿ることが多いのですが、改めて、診断の難しい病気であることを思い知らされました。

『開院10周年記念⑧』 風疹 高抗体価

金曜日, 7 月 19th, 2019

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。自分にとって印象深かったブログを紹介してきましたが、今回が最終回です。
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風疹ワクチンは1995年までは、女子のみに実施されていました(現在は男女とも接種)。2006年までは子供の頃に1回打つだけでした(現在は2回接種)。その結果、風疹の抗体を持たない昭和生まれの男性が社会問題になっています。

【30代男性(昭和生まれ)】
先日、妊娠を希望するパートナーとして風疹の抗体検査(無料)を受けられました。抗体価(HI法)は2048倍と異常な高値を示しました。発熱、発疹、リンパ節腫脹などの風疹を疑うような症状はありません。

妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群をおこすことがあります。先天性風疹症候群の赤ちゃんは、様々な障害を持って生まれます。
風疹の抗体価は、陰性(8倍未満)、ボーダーライン(8倍~16倍)、陽性(32倍以上)と判定します。32倍以上あれば、風疹に対する免疫があるため、安心して妊娠できます。
16倍以下であれば、ワクチン接種が望ましいです。

では、2048倍はどういうことなのか。可能性が高いのが、風疹の不顕性感染(あるいは再感染)です。自然感染後の3~10%に、ワクチン接種後の14~18%に再感染が起こりうるのです。再感染は、無症状の事が多く、本人も気付かないのです。その結果、パートナーに風疹を感染させてしまうわけです。

女性が風疹の再感染で妊娠した場合を想定してみましょう。ワクチンも打っているし、症状もないので、まさか、風疹に再感染しているなんて想像もできないでしょう。しかし、ワクチンの効果は永遠ではないのです。母体は再感染でも、胎仔にとっては初感染ですので先天性風疹症候群は発症します。再感染による先天性風疹症候群をまとめた論文では、母体に発疹が出たのは27%、急性期感染の裏付けとなるIgM抗体の陽性率は50%程度と診断が難しいことを物語っています。

結局、この男性はどうすればよいのでしょうか?
① まず奥さんの抗体価を確認する。陽性であれば、妊娠に支障はないです。
② 奥さんの抗体価が陰性又はボーダーラインであれば、ご主人の抗体価が落ち着いてから妊活を再開する方が無難でしょう。

【あとがき】
妻が妊娠中に風疹にかからないようにするために、夫が風疹抗体を持っているのか調べられるようになりました。抗体がなければ、ワクチン接種に補助金も出ます。今回は、『高抗体価』という思わぬ事態に遭遇しました。この方にお会いするまで、風疹が再感染することを知りませんでした。しかも、再感染は、ほぼ無症状なのですから、2次感染の防ぎ様が無いですね。医療には想定外の事態が起こることを認識させられました。

ブログは、それなりに下調べをしなければ書けません。『是非、読んでもらいたい』という気持ちが強ければ、調べることも苦になりません。新しい知見が得られてむしろ楽しいです。これからも、その気持ちをエネルギー源にして、ブログを続けていきたいと思います。

『開院10周年記念⑦』 コールドポリペクトミー

木曜日, 7 月 18th, 2019

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。自分にとって印象深かったブログを紹介したいと思います。

【大腸ポリープの癌化率】
大腸ポリープ* の何%が癌化するのでしょうか。ポリープの大きさと癌化率の関係です。
1~5mm大:0.5%
6~10mm大:13.2%
11~20mm大:50.8%
21mm~:66.6%
大きくなればなるほど、癌になるリスクは大きくなるわけです**。ですから、あまり大きく育たないうちに、出来れば見つけ次第、ポリープ切除をしておくことが必要です。これらのデータを元に当院では積極的にポリープ切除をおこなっています。

【コールドポリペクトミーの導入(写真参照ください)】
通常のポリープ切除は、粘膜下に生理食塩水を局注し、ポリープを浮かせた後にスネアをかけ、通電することで焼灼切除しています。焼灼後に出来た粘膜の傷はクリップで縫合します。
一方、平成29年から導入したコールドポリペクトミーは、生理食塩水を局注せず、そのままスネア切除します。この際、通電もしません。一見、乱暴な治療に見えますが、粘膜の浅い所には、細い血管しかないため、重篤な出血は来しません。通電しないため、遅発性の出血のリスクは回避されます。当院では、通常のポリープ切除とコールドポリペクトミーをポリープの大きさや形によって適切に使い分けています。

*大腸ポリープの85%は腺腫です。腺腫の癌化率について説明しています。
**今回提示したポリープの癌化率は広基性(Ⅰs)ポリープについてのデータです。
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【あとがき】
写真を見てお分かりのように、コールドポリペクトミーは、非常にきれいにポリープが切除出来ます。しかも、安全な手技ですので、安心して治療を受けて頂けます。当院では、積極的に、コールドポリペクトミーをおこなっています。

『開院10周年記念⑥』 急性肝炎→肝不全→肝移植術→生還

水曜日, 7 月 17th, 2019

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。自分にとって印象深かったブログを紹介したいと思います。

e8829de7a7bbe6a48d1週間以上続く強度の食欲低下吐き気を訴えて来院されました。嘔吐や下痢は無く、腹痛もありません。発熱もありません。通常の胃腸炎らしくないのです。しかし、症状は深刻な様子でした。急性肝炎を疑い、血液検査をおこなった結果、著しい肝機能障害が確認されました。直ちに大学病院に入院となりましたが、入院後も肝不全状態は改善せず、移植術施行病院へ転院となりました。タイミング良くマッチングされた肝臓が提供され、移植術がおこなわれました。術後経過も良く、1ヶ月後には退院されました。なお、肝炎の原因は特定できなかったようです。

今回、私は最初に一度診察しただけで、よもや肝移植術になろうとは想像だにしていませんでした。しかし、この人命救助のホンの一端を担えたことで、とても充実した気持ちになりました。

本邦では、2010年臓器移植法が改正され、それまでは本人(脳死)の生前の書面による意思表示が必要であったものが、本人の意思が不明な場合には、家族の承諾で臓器が提供できるようになり、移植術が飛躍的に増えました。肝不全(あるいは劇症肝炎)からの肝移植術も年間40例ほど施行されています。

臓器移植法が改正される前に、肝臓移植になった患者さんを担当したことがありましたが、肝臓の提供者を血縁者からつのり、保険適応の面でも十分整備されていなかったため、資金集めに、患者さんのご家族の苦労は大変なものでした。今回は、直ぐに臓器提供があり、医療費もすべて保険診療でカバー出来ています。現在の日本の移植医療は良く整備されています。

【あとがき】
この方は、土曜日の診療終了間際に診察したのを覚えています。日曜日をはさんで、月曜日の朝一番にオンラインで送られてきた肝機能の異常値を確認しました。直ぐに、出勤途中のご本人に電話をかけ、会社に行くのをやめて、大学病院を受診するよう指示しました。入院1~2週間後には、肝臓移植術が施行されたわけです。結局、この方が急性肝炎にかかった原因はわからずじまいでした。未知の肝炎ウイルスが存在するのかもしれません。

『開院10周年記念⑤』 除菌治療の進化

火曜日, 7 月 16th, 2019

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。自分にとって印象深かったブログを紹介したいと思います。

e38394e383ade383aae88f8c平成27年も沢山の方にヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を受けて頂きました。平成27年の除菌治療に関する最も大きなニュースは「タケキャブの導入」でしょう。これまでの1次除菌の成功率は全国平均が75%程度でした。しかし、除菌治療の3剤の内のひとつであるプロトンポンプインヒビター(PPI)にタケキャブを使えるようになって、除菌成功率は90%以上に上昇したのです。従来のPPIに比べて、タケキャブの方が、胃酸分泌抑制能力が圧倒的に強いからです。

平成27年7月以降、当院ではPPIをタケキャブに変更しました。除菌成功率をタケキャブ採用前後で比較してみました。
従来の1次除菌の成功率63%(99人/156人中)であったのに対し、タケキャブ導入後は95%(53人/56人中)と飛躍的に向上しました。

なお、2次除菌について、同様の比較検討をおこなったところ、92%(34人/37人中)から100%(12人/12人中)となっています。タケキャブって凄いですね。
まだ、除菌を受けていない方、この高い成功率をみてください。是非、除菌しましょう!

【あとがき】
当時、当院の1次除菌の成功率は60%台まで落ち込んでいました。抗生物質のクラリスに対する薬剤耐性が問題視されており、クラリスが悪者扱いされる風潮でした。誰もPPIを問題にしていませんでした。
ところが、PPIをタケキャブに変えることで、成功率は95%まで引き上げられたのです。世の中の風潮に安易になびいてはいけないと思いました。そもそも、つい30年前までは胃の中にピロリ菌がいることを誰も信じなかったのですから。

『開院10周年記念④』 乗馬「駈足(かけあし)」

月曜日, 7 月 15th, 2019

『開院10周年』を迎えるにあたって、私が10年間続けてこられたもののひとつにブログがあります。自分にとって印象深かったブログを紹介したいと思います。

e9a788e8b6b3最近、駈足が出来るようになりました! ダダダーン、ダダダーン、ダダダーン、と3拍子でドンドン走ります。その爽快感は言葉に言い表せません。強いて例えれば、城島高原の木製のジェットコースター(ジュピター)に乗っている感じです。木製ゆえのきしみ音や不安定感、そのスリル。それが、何度も何度も繰り返し味わえるのです。駈足が出来るようになるまで乗馬を続けて良かった。

常足(なみあし):馬は歩いています。
軽速足(けいはやあし):馬はサッサッか歩いています。人間は、鞍(くら)の上で「立つ、坐る」を繰り返します。
と来て、いよいよ『駈足』の練習に入りました。
まず、馬に「駈足するよ。」という意思を伝えるのが難しい。なかなか、走ってくれません。走っている馬は、首を上下に振ります。首の動きでバランスを取らないと走れないからです。目の前で馬の頭が上げ下げするのも結構恐怖を感じます。
走っている馬には鐙(あぶみ)と下半身だけで馬に密着するしありません。お尻は、走る反動で鞍から跳ね上げられそうになります。手綱(たづな)を引けば、馬は止まってしまいますから、常に軽く引っ張った状態で保持しなければいけません。
走り続けるためには、馬の速度が落ちかけたら、鐙で馬のお腹を締めたり、鞭(むち)で軽く叩いたり、意思表示を示さなければ走り続けてはくれません。

これらのことを、走っている不安定な馬の上でおこなうわけです。自動車と違って、馬は一定の速度で走る訳ではありません。馬が脚を滑らせて、急に「グラッ」となることもあります。油断大敵です。常に、上半身はリラックスさせておかなければ、柔らかい身のこなしはできないのです。難しい! でも、やっぱり爽快です。

駈足が出来るようになって気付いたことがあります。
ひとつは、馬の手入れに気持ちが入るようになりました。「今日もまた走ってね」「今日は良く走ってくれたね。」そう思うと、蹄の裏掘りも体にブラシをかけるのも丁寧になります。
もうひとつは、走っている馬の上から、弓矢を打ったり(やぶさめ)、輪になったロープ投げたりする(西部劇)のは、メチャメチャ難しいことなのだとわかりました。

【あとがき】
駈足(かけあし)が出来た時の感動は今でも鮮明に覚えています。一生、駈足は出来ないのかな、と思っていましたから。もっと若い時に乗馬に出合いたかったですね。

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