食べ物の耳寄りな話(9) 「マーガリンとクローン病」
マーガリンはトランス型脂肪酸を含む食品です。ドイツではマーガリンが発売された時期と地域がクローン病の発症と一致したため、マーガリンの製造は禁止されたそうです。その他の欧米諸国でも、トランス型脂肪酸の含有量を表記する義務や量の制限が設けてあります。一方、日本は規制がありません。
そもそもマーガリンは高価なバターの代用品として作られました。マーガリンから水分を除いたものがショートニングです。パンやクッキーなどには、どちらも良く使用されています。
トランス型脂肪酸は常温でも固体を保ち、酸化されにくいので保存が効きます。パンやクッキーを製造する過程でショートニングを入れると「サックリ」と焼き上がります。長持ちして、食感が良くなることから重宝されるわけです。
しかし、トランス脂肪酸は自然界には存在しないため、体内に入ると代謝しきれず、蓄積されていきます。トランス型脂肪酸との関係が指摘されている病気はクローン病以外にも、がんや高血圧、認知症などがあります。
私は、クローン病の方にはマーガリンを避けるように指導しています。同じ炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎の方にも、出来れば避けたい食品として説明しています。
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