平成26年の診療報告から(3)  急性膵炎

平成26年は急性膵炎の方が5人いらっしゃいました。

医学書には腹痛お腹が痛い!の5%は急性膵炎であると書かれていますが、おそらく、救命救急センターの様な施設での統計だと思います。クリニックに腹痛でみえる方は、歩いて来院されるわけで、急性膵炎によく見られる救急車で搬入されるような激しい腹痛の方はいませんから。

この5名の方の内訳は41歳から94歳までと年齢の幅が広く、アルコール性が1名、胆石性が2名、特発性(原因不明)が2名でした。
自覚症状は上腹部痛を訴え方が多く、なかには「嘔気、食欲不振」のような膵炎を連想しにくい訴えもありました。

診察上の共通点は、「腸雑音の減弱」です。あまり、お腹が動いていないのです。かといって、腸閉塞の様な危険な音(メタリックサウンド)はしません。そして、お腹全体的に少し張った感じなのです。腹膜炎の様な「カチカチ」のお腹ではないけど、やわらかいお腹でもない。その中間で、何となく気になるお腹なのです。押えて痛むところははっきりしません。

次に血液検査で白血球数をチェックします。院内で測定しますので、直ぐに結果を確認できます。胃潰瘍では白血球は増えませんから、白血球が増えていれば胃の病気ではないと考えます。この5名の方も皆さん白血球が増えていました。

次にエコー検査をします。胆石や、肝内胆管の拡張などの所見があれば、診断は絞られてきます。しかし、大抵は、腸管ガスが多く、得られる情報は少ないです。

ここからがいつも思案のしどころです。血液生化学検査(膵酵素など)の結果は、原則、翌日に判明します。「明日、結果を聞きに来てください。」といってお腹の痛い患者さんを帰すわけにはいきません。結局、ある程度、膵炎に診断を絞り込んだうえで、救急病院か大学病院に直ぐに診て頂くようにお願いしています。

勤務医の時は、血液生化学検査やCT検査が直ぐに出来ましたから、急性膵炎の診断は比較的容易でした。むしろ、重症度判定に神経を使っていましたが、クリニックの診療ではこの辺りに限界を感じます。

「何となく腑に落ちない腹痛」は急性膵炎の可能性を考えながら、診療にあたっています。


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