Archive for the ‘クリニック通信’ Category

8周年を迎えて

火曜日, 7 月 11th, 2017

7月11日で8才になりました!早いもので、本日、開院8周年を迎えることが出来ました。これもひとえに、皆様が当院をご利用して頂けるからこそであり、厚くお礼申し上げます。有り難うございました。
そして、いつも一生懸命に患者さんに接してくれる受付の皆さん、看護師さん、助手さん、有り難うございます。正確で確実な仕事ぶりに感謝しています。

この1年間で診療上の一番大きな変化は「コールドポリペクトミー」を取り入れたことです。当初は、通電しないで切除することに不安が残っていたのですが、通電しない方が粘膜下層の深い所にある血管に影響がないことから、むしろ安全であることに納得し、今では積極的に実施しています。実際のところ、まだ一度も後出血をおこしていません。

昨年夏にクリニックの外壁を再塗装しました。隣にコンビニが開店し、クリニックの外壁の汚れが目立っていたため、思い切ってキレイに塗り直して頂きました。不思議なもので、クリニックがきれいになっただけで、新たな気分で頑張ろうという意欲が湧いてきます。

開院9年目に入りますが、これからも一人一人の患者さんに集中して診療にあたる所存です。どうか、皆様、中野胃腸クリニックを今後ともよろしくお願いいたします。

『経鼻内視鏡』やっています。

月曜日, 4 月 10th, 2017

鼻の穴からカメラが入ります。先日、当院を受診なさった方から、「このクリニックは、経鼻内視鏡はやっていないのですか?」と尋ねられました。「ホームページにも書いていないから」という理由でした。いえいえ、経鼻内視鏡検査もやっています。さっそく、ホームページに経鼻内視鏡のことを書き加えることにしました。

過去に胃カメラを受けて、嘔吐反射が強く、大変つらい思いをした方がいらっしゃると思います。また、胃カメラに対する漠然とした恐怖感を持っている方も多いと思います。そういった方には、『経鼻内視鏡』をお勧めしています。鼻の穴を通ってカメラが進むため、嘔吐反射の誘因となる舌根部をカメラがほとんど圧迫しません。比較的楽に検査が受けられます。
ただし、カメラが細くなった分、ある程度、画質の低下や送気・送水能力の低下があることも事実です。ですから、通常の内視鏡検査がさほど苦にならない方は、敢えて経鼻内視鏡を選ぶ必要は無いと思います。

平成28年 診療報告

水曜日, 1 月 11th, 2017

平成28年も多くの方に当クリニックを受診して頂きました。本当にありがとうございました。
当院の診療内容を知って頂くために、昨年1年間の患者数をご報告いたします。

1)内視鏡検査を受けた方が、2,125名います。
胃カメラを受けた方      1,180名
大腸カメラを受けた方       945名

食道アカラシアの方が1名います。
食道異形成(前がん状態)の方が1名います。
胃がんが見つかった方が10名います。
2名の方は粘膜内がんでした。内視鏡治療で完治しています。)
(グループ2からグループ5に変わった方が1名います。)
(ピロリ菌除菌後に胃がんの見つかった方が1名います。)
胃のアニサキス虫体を除去した方が1名います。
胃カルチノイドの方が1名います。
胃拡張の方が1名います。
胃粘膜下腫瘍の方が2名います。

大腸がんが見つかった方が24名います。
6名の方は粘膜内がんであったため、内視鏡治療で完治しています。)
1名の方が粘膜下層までがんがあっため、内視鏡治療後に外科的切除術を追加しました。)
大腸ポリープの切除を受けた方が88名います。
直腸カルチノイドの方が1名います。

2)ヘリコバクターピロリ感染症  除菌に成功した方が120名います。
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。

1次除菌で菌が消えなかった場合は2次除菌をおこないます。
2次除菌でも消えなかった場合、3次除菌を勧めています。ペニシリンアレルギー方専用の除菌治療もおこなっています。

1次除菌で菌が消えた方が99名います。
2次除菌で菌が消えた方が19名います。
ペニシリンアレルギー用の除菌治療で菌が消えた方が2名います。

3)炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎の方が52名います。
1名の方は生物学的製剤(ヒュミラ)の投与を受けています。)
クローン病の方が9名います。
7名の方は生物学的製剤(レミケード)の投与を受けています。)

4)細菌性腸炎
便の培養検査で細菌が検出された方が10名います。
病原性大腸菌(5名)、黄色ブドウ球菌(5名)です。

5)急性虫垂炎の方が6名います。
3名は手術になりました。

6)ジスト(GIST:消化管間質腫瘍)の方が2名います。
胃GISTの方が1名います。
小腸GISTの方が2名います。
(内服治療(グリベック)を受けた方が1名います。)

7)肝臓の病気
B型肝炎に対して抗肝炎ウイルス剤(バラクルード)の内服治療を受けた方が5名います。
肝臓がんの方が1名います。
原発性胆汁性肝硬変症の方が11名います。
自己免疫性肝炎の方が2名います。

8)胆道疾患
胆石が見つかった方が28名います。
11名が手術を受けられました。)
急性胆嚢炎の方が1名います。
胆嚢がんの方が2名います。
総胆管結石の方が4名います。
4名とも内視鏡的乳頭括約筋切開術を受けられました。)

9)すい臓の病気
急性すい炎の方が5名います。
(特発性が4名、アルコール性が1名です。)
慢性すい炎の方が10名います。
すいのう胞の方が1名います。
すい臓がんの方が4名います。
すい腫瘍の方が1名います。

10)糖尿病
インスリン注射を受けた方が4名います。
インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)の治療を受けた方が51名います。

11)甲状腺の病気の方が10名います。
甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)  1名
甲状腺機能低下症(橋本病)  9名

12)禁煙外来を受けた方が38名います。

13)インフルエンザにかかった方が57名います。

14)24時間心電図を受けた方が1名います。

15)睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた方が17名います。
持続陽圧呼吸療法を受けた方が3名います。

16)スパイログフィー検査(肺年齢測定)を受けた方が18名います。

17)その他の疾患
乳がん
尿管がん
肺化膿症
シェーグレン症候群

開院7周年を迎えて

月曜日, 7 月 11th, 2016

早いもので、今日、開院して7周年を迎えることが出来ました。過ぎてしまえば、あっという間の7年間でしたが、試行錯誤の繰り返しでもありました。
① 診療時間
開院当初は午後の診療は2時からでしたが、大腸カメラをすべて終わらせてから午後の診療をするために、午後3時に変更しました。レストランにオーダーストップの時間と閉店の時間があるのと同じように、今年4月からは、診療終了は午後6時ですが、診療の受付を午後5時30分までとさせて頂きました。
② 内視鏡検査
開院当初は、胃カメラ1本、大腸カメラ1本で始めましたが、現在では、経鼻内視鏡を含め胃カメラ3本、大腸カメラは、細くて柔らかいカメラも揃え、計3本で検査をおこなっています。
大腸カメラの送気は空気ではなく二酸化炭素を使うようにしました。二酸化炭素は粘膜から吸収され呼吸と共に体から出ていくため、検査後の腸の張りが少なく楽です。
内視鏡洗浄器もより洗浄力の高い機種にグレードアップしました。その結果、検査前の感染症チェック(血液検査)が不要となり、患者さんの負担が減りました。この器械は、全自動なので、スタッフの労力も大幅に軽減出来、予想以上に良い効果をもたらしてくれました。
③ 各種検査
糖尿病の指標になるHb A1c(ヘモグロビンエイワンシー)を院内で測定できるようにしました。
「肺年齢」の算出できる肺機能検査を始めました。禁煙外来の方の「肺年齢」を測定することで、タバコを吸っている今の状態が如何に体に悪いかを実感してもらう効果があり、それだけ、禁煙に対する取り組みもしっかりしてきます。
開院2年目からは、レントゲン装置が稼働できるようになりました。
腹部エコー検査は頸動脈エコー・甲状腺エコーも出来る機種にグレードアップしました。
④ スタッフ
これまでは、忙しさと緊張から、スタッフに慢性的な疲労を与えてしまっていました。スタッフが長く働くことが出来る職場にするよう、無理の無い配置に心がけています。
⑤ 院長
私自身はどうでしょうか? 自分では、クリニックでの診療の限界が分かってきたことが進歩したところだと思っています。「ここまでは責任を持って治療できる」「これ以上は病院にお願いした方が良い」という分岐点がみえてきました。
年度毎に検査数や疾患の統計をとることで、日々の診療がおろそかにならないように気をつけています。
ブログも何とか継続しています。読んでくださった方々が、「へえ、そうなんだ。」と思って頂けるようなブログが理想です。実は、文章にするためには、医学書を読み直したり、文献検索をおこなったり、いろいろ下調べが必要です。ブログを書くことが、自分の知識の再確認になっています。
最近は、運動不足を補うために、毎日、診療終了後にジムに通っています。3日坊主の私ですが、ジム通いは2年続いています。
⑥ 最後に
毎日、心身を平静に保ち、「日々これ一生」の気持ちで、ひとりひとりの患者さんと向かい合っていく所存です。これからも、どうかよろしくお願いいたします。

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平成27年診療報告から(4)  「グループ2」からの「グループ5」

水曜日, 4 月 20th, 2016

グループ1,2,3,4,5胃カメラで採取してきた胃粘膜病変の診断に「グループ分類」がおこなわれます。

グループ1 正常
グループ2 腫瘍性か非腫瘍性か判断が難しい
グループ3 腺腫
グループ4 がんが疑わしい腫瘍
グループ5 がん

昨年(平成27年)生検でグループ2と診断された方で最終的にグループ5(がん)に診断が変わった方が2名いらっしゃいました。
一人目の方は、胃の出口付近に、すそ野の広い大きさが1cm程度のポリープが2個ありました。胃カメラの印象は「グループ3(腺腫)」と思いましたが、生検ではグループ2と診断されました。3か月後に再度胃カメラを受けて頂き、もう一度生検した結果、グループ5に変更されました。その後、大学病院で内視鏡治療を受けて頂き、完治しています。初期のがんである「粘膜内がん」でした。最初の胃カメラから半年がたっていました。

二人目の方は、胃の真ん中の小さなビラン(ただれ)と胃の入り口近くの胃潰瘍のはん痕(なごり)の2か所に病変がありました。内心「グループ1」だろうと思っていたのですが、グループ2と診断されました。4か月後に再検査を受けて頂いた結果、「グループ5」になりました。大学病院で内視鏡治療を受けて頂き、完治しています。2か所とも「粘膜内がん」でした。がんの大きさはいずれも1cm程度でした。最初の胃カメラから8か月がたっていました。

「グループ2」病変の取り扱いは慎重に行わなければいけません。そして、時間はかかるけれど、患者さんと共に、粘り強く、検査を進めていくことが大事だと思います。

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平成27年診療報告から(3)  除菌療法の進化

水曜日, 3 月 30th, 2016

平成27年も沢山の方にヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を受けて頂きました。平成27年の除菌治療に関する最も大きなニュースは「タケキャブの導入」でしょう。これまでの1次除菌の成功率は全国平均が75%程度でした。しかし、除菌治療の3剤の内のひとつであるプロトンポンプインヒビター(PPI)にタケキャブを使えるようになって、除菌成功率は90%以上に上昇したのです。従来のPPIに比べて、タケキャブの方が、胃酸分泌抑制能力が圧倒的に強いからです。

平成27年7月以降、当院ではPPIをタケキャブに変更しました。除菌成功率をタケキャブ採用前後で比較してみました。
従来の1次除菌の成功率63%(99人/156人中)であったのに対し、タケキャブ導入後は95%(53人/56人中)と飛躍的に向上しました(グラフ参照)。

なお、2次除菌について、同様の比較検討をおこなったところ、92%(34人/37人中)から100%(12人/12人中)となっています。タケキャブって凄いですね。
まだ、除菌を受けていない方、この高い成功率をみてください。是非、除菌しましょう!

【グラフの説明】
縦軸:成功率(%)
横軸:(1)旧1次除菌(タケプロン、他) (2)新1次除菌(タケキャブ、他)

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平成27年 診療報告

水曜日, 1 月 6th, 2016

平成27年も多くの方に当クリニックを受診して頂きました。
本当にありがとうございました。
当院を知って頂くために、昨年1年間の診療内容をご報告いたします。

1)内視鏡検査を受けた方が、2,236います。
胃カメラを受けた方   1,276名
大腸カメラを受けた方   960名
『胃腸ドック』を受けた方   2名

食道粘膜下腫瘍が見つかった方が 2名 います。
サイトメガロウイルス食道潰瘍の方が1名います。
胃がんが見つかった方が 10名います。
(1名の方は微小胃がんでした。内視鏡治療で完治しています。)
(最初の生検はGroup2だったのに、再検査でGroup5(がん)にかわった人が2名います。)
胃のアニサキス虫体を除去した方が 1名います。
大腸がんが見つかった方が 10名います。
(5名の方は粘膜内がんであったため、内視鏡治療で完治しています。)
(2名の方は虫垂がんでした。)
大腸ポリープの切除を受けた方が 81名います。
直腸カルチノイドの方が1名います。
アメーバ性腸炎の方が1名います。
偽膜性腸炎(抗生物質起因性腸炎)の方が2名います。

2)ヘリコバクターピロリ感染症  除菌に成功した方が187名います。
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。1次除菌で菌が消えなかった場合は2次除菌をおこないます。2次除菌でも消えなかった場合、3次除菌を勧めています。ペニシリンアレルギー方専用の除菌治療もおこなっています。
1次除菌で菌が消えた方が136名います。
2次除菌で菌が消えた方が 46名います。
3次除菌で菌が消えた方が 3名います。
ペニシリンアレルギー用の除菌治療で菌が消えた方が2名います。

3)炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎の方が 55名います。
クローン病の方が 11名います。
(6名の方は生物学的製剤(レミケード)の投与を受けています。)
(最年少の方は14才でした。)

4)細菌性腸炎
便の培養検査で細菌が検出された方が 27名います。
一番多かったのは病原性大腸菌(15名)で、次に多かったのがキャンピロバクター(6名)、その次に多かったのが黄色ブドウ球菌(4名)でした。

5)急性虫垂炎に方が4名います。
2名は手術になりました。

6)ジスト(GIST:消化管間質腫瘍)の方が3名います。
胃GISTの方が 1名います。
小腸GISTの方が 2名います。
(内服治療(グリベック)を受けた方が 1名います。)

7)肝臓の病気
B型肝炎に対して抗肝炎ウイルス剤(バラクルード)の内服治療を受けた方が 5名います。
肝臓がんの方が 2名います。
原発性胆汁性肝硬変症の方が 10名います。
自己免疫性肝炎の方が 2名います。

8)胆道疾患
胆石が見つかった方が 35名います。
(12名が手術を受けられました。)
総胆管結石の方が 1名います。
(内視鏡的乳頭括約筋切開術を受けられました。)

9)すい臓の病気
急性すい炎の方が 6名います。
(アルコール性が5名、特発性が1名です。)
慢性すい炎の方が 5名います。
すいのう胞の方が 2名います。

10)糖尿病
インスリン注射を受けた方が 4名います。
インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)の治療を受けた方が 43名います。

11)甲状腺の病気の方が10名います。
甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)  1名
甲状腺機能低下症(橋本病)  9名

12)禁煙外来を受けた方が40名います。

13)インフルエンザにかかった方が40名います。

14)24時間心電図を受けた方が4名います。
1名はペースメーカー植え込み術を受けられました。

15)睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた方が13名います。
持続陽圧呼吸療法を受けた方が 7名います。

16)スパイログフィー検査(肺気量分画測定)を受けた方が8名います。

17)溶連菌抗原検査(咽頭ぬぐい液)を受けた方が3名います。

18)在宅診療をおこなった方が1名います。

19)その他の疾患
卵巣腫瘍
子宮内膜症
ナットクラッカー症候群
原発性アルドステロン症
ギランバレー症候群
淋病
マイコプラズマ肺炎
上腸間膜動脈解離

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平成26年の診療報告から(3)  急性膵炎

水曜日, 4 月 8th, 2015

平成26年は急性膵炎の方が5人いらっしゃいました。

医学書には腹痛お腹が痛い!の5%は急性膵炎であると書かれていますが、おそらく、救命救急センターの様な施設での統計だと思います。クリニックに腹痛でみえる方は、歩いて来院されるわけで、急性膵炎によく見られる救急車で搬入されるような激しい腹痛の方はいませんから。

この5名の方の内訳は41歳から94歳までと年齢の幅が広く、アルコール性が1名、胆石性が2名、特発性(原因不明)が2名でした。
自覚症状は上腹部痛を訴え方が多く、なかには「嘔気、食欲不振」のような膵炎を連想しにくい訴えもありました。

診察上の共通点は、「腸雑音の減弱」です。あまり、お腹が動いていないのです。かといって、腸閉塞の様な危険な音(メタリックサウンド)はしません。そして、お腹全体的に少し張った感じなのです。腹膜炎の様な「カチカチ」のお腹ではないけど、やわらかいお腹でもない。その中間で、何となく気になるお腹なのです。押えて痛むところははっきりしません。

次に血液検査で白血球数をチェックします。院内で測定しますので、直ぐに結果を確認できます。胃潰瘍では白血球は増えませんから、白血球が増えていれば胃の病気ではないと考えます。この5名の方も皆さん白血球が増えていました。

次にエコー検査をします。胆石や、肝内胆管の拡張などの所見があれば、診断は絞られてきます。しかし、大抵は、腸管ガスが多く、得られる情報は少ないです。

ここからがいつも思案のしどころです。血液生化学検査(膵酵素など)の結果は、原則、翌日に判明します。「明日、結果を聞きに来てください。」といってお腹の痛い患者さんを帰すわけにはいきません。結局、ある程度、膵炎に診断を絞り込んだうえで、救急病院か大学病院に直ぐに診て頂くようにお願いしています。

勤務医の時は、血液生化学検査やCT検査が直ぐに出来ましたから、急性膵炎の診断は比較的容易でした。むしろ、重症度判定に神経を使っていましたが、クリニックの診療ではこの辺りに限界を感じます。

「何となく腑に落ちない腹痛」は急性膵炎の可能性を考えながら、診療にあたっています。


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平成26年診療報告から(2) 早期食道ガン

日曜日, 2 月 22nd, 2015

通常の食道の観察です。ルゴールを散布すると、ガンが白く浮き出てきます。

平成26年診療報告から

食道がんが見つかった方が2名います。

非常に早期の食道ガンが見つかった方の話です。

通常の食道観察の際に、わずかに、「白いザラザラとした印象の粘膜」がありました(写真左)。
ルゴールを散布すると、そのザラザラした部分から口側(写真の手前側です)に3cm程度の地図状の「淡染帯」が浮かび上がってきました(写真右)。
食道ガンはルゴールを散布しても、茶色に染まりません(不染帯)。この方の場合は、淡く染まっていました。なお、この染色は15分程で消えてしまいます。

この淡染帯に相当する部位を通常観察で見ると、まったくの正常粘膜にしか見えません。もし、この「白いザラザラとした印象の粘膜」に気づかなければ、ガンの存在に気付かなかったわけです。

生検ではガンと診断されませんでしたが、食道ガンの可能性が高いと判断し、大学病院を受診して頂きました。大学病院の生検でもガンと診断されませんでしたが、半年後の胃カメラでも、ルゴールの淡染帯がハッキリ確認されたため、内視鏡的に病変部だけが切除されました。その結果、ごく初期の食道ガンと診断されました。ガン細胞が食道の粘膜上皮とどまる最も浅いものでした(T1a-EP と表記します)。この段階で内視鏡的切除術を受ければ、100%完治します。大学病院の先生が粘り強く経過をみてくださったことに感謝しています。

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平成26年の診療報告から(1)  除菌療法

日曜日, 1 月 25th, 2015

ヘリコバクターピロリ感染症   除菌に成功した方が204名います。

ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。1次除菌で菌が消えなかった場合は2次除菌をおこないます。
1次除菌で菌が消えた方が159名います。
2次除菌で菌が消えた方が45名います。
*2名の方が2次除菌でも菌が消えませんでした。

憎きピロリ菌!50歳までに除菌すれば、胃癌になるリスクが90%回避出来ると考えられています。当院で50歳以下で除菌出来た方が59名おられました。このうち、7名の方は、30才以下です。30歳までに除菌出来れば、99%胃癌のリスクが回避出来ると考えられていますので、一度もピロリ感染していない方とほぼ同じ条件になると考えられます。

胃がんの予防という意味においては、除菌は、胃の粘膜が萎縮する前におこなう方が有効です。あるいは、萎縮の早い段階であれば、除菌によって萎縮は回復していきます。この様に、若いうちに除菌することは、とても意味のあることなのです。

一方、高齢な方の除菌による胃癌予防の有用性も証明されており、70歳代で50%程度のリスクが回避出来ると考えられています。当院で70歳以上の除菌成功者は34名いらっしゃいました。高齢者の方も、比較的安全に除菌出来たと思います。

残念ながら、2次除菌でも除菌出来なかった方が2名おられました。当院では、2次除菌不成功の方に3次除菌をお勧めしています。現在、3次除菌の判定を待っている方が数名いらっしゃいます。

また、ペニシリンアレルギーの除菌も始めました。3次除菌と同様に、保険診療の対象外ですが、色々な方に除菌を受けて頂きたいために、積極的に取り組んでいます。

なお、除菌の判定を自由診療でおこなう場合は、尿素呼気試験の他に、比較的安価な便中のピロリ菌抗原も可能です。

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