心に残った話(15) 「激しい腹痛」

私のこれまでの24年間の医師としての経験の中で印象深いエピソードを時々紹介したいと思います。すべて実話ですが、個人の特定が出来ないように、場所や時代は多少事実とは違います。よかったら、読んでみてください。

今回の主人公は40代の女性です。年に数回おこる激しい腹痛が何年も続いていました。でも、痛くない時はウソのように何ともないのです。いくつかの病院を受診しましたが、原因が分かりませんでした。外来におみえになった時の第一印象がその深刻さを物語っていました。
血液検査、胃カメラ、大腸カメラ、造影剤を使ったお腹のCT検査(断層撮影)、いずれも異常が見当たりませんでした。可能性はかなり低くなるけど、小腸の病気も考えて、小腸二重造影検査も頑張って受けて頂きました。結果は同じでした。私の経験では、これ以上は調べようがないというのが正直な気持ちでした。(もちろん、そんなことは患者さんに言いませんが。)もっともっと稀な腹痛をきたす血液の病気(紫斑病)や代謝の病気(ポルフィリン症)も調べてみましたが、該当しませんでした。『わらにもすがる思い』で、婦人科の先生に診て頂きました。その結果、MRI検査でお腹のあちこちに子宮内膜症が出来ていることが判明しました。これが、腹痛の原因だったのです。やっと、結論が出ました。月経異常がまったくなかったため婦人科の先生に診て頂くことをためらい、診断に時間がかかってしまいました。反省です。
実は、診断がつくまでの途中で、私が転勤になりました。しかし、患者さんが新しい赴任先にわざわざ受診に来られたのです。これは、何としてでも、腹痛の原因を解決しなければいけないと強く思いました。
満足のいく説明や結果が得られない場合、担当医や病院をかえると良い結果を招くことが多いと思います。ただ、同じ医師にもう一度相談するという方法も良いかもしれません。

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