Archive for the ‘院長「よもやま話」’ Category

よもやま話(111話) 職員募集

土曜日, 9 月 19th, 2020

当院の名札です。これまでに幾度となく職員の採用をおこなってきました。スタッフからの的確なアドバイスで救われた経験をお話します。

ハローワークだけではない
開院して間もない頃は、スタッフ募集と言えば、ハローワークという思考回路しかありませんでした。スタッフから「民間の求人情報の会社にも出してみたらどうですか?」とアドバイスをもらいました。現在勤めているところを辞めようかなと思案中の人や、そこまでハッキリした意識は無いけど、何となくどんな募集があるのかな、って見る人もいますよ。と教えてくれたのです。以降、地元の求人情報会社に依頼しています。最近は、新聞の折り込みチラシやフリーペーパーよりも、WEB版が有効です。

知りたい情報とは
応募する方の知りたい情報は、勤務地、勤務内容、勤務時間、給料、休み、などでしょう。フリーのコメント欄に、当院は薪ストーブで冬は暖かくて癒されますよ。とか、院長はブログ書いてます。とか書いていました。しかし、スタッフから、どんな年齢層のスタッフが多いのかとか、子供の学校行事で休めるのか、とかが知りたいものなのですよ。と教えてもらいました。これまでは、応募する人の気持ちをまったく解っていなかったことを痛感させられました。さっそくコメント欄を修正しました。

名札
1日働いて「私には無理でした。」とお辞めになった方がいらっしゃいます。用意した名札は1日しか使われませんでした。以降、採用後しばらくの間、自作の名札をお渡ししています。

よもやま話(111話)論文を書くことの効能

水曜日, 4 月 29th, 2020

医学雑誌「臨床消化器内科」に『英語で論文を書くことの効能 学会発表だけじゃダメなんですか?』という連載が目に留まりました。

論文を書くことは意味があること?24年間の勤務医生活の内、8年間は大学病院に勤めました。大学では論文作成が至上命令です。論文作成には思いのほか時間を取られるため、市中病院で沢山の患者さんを診て、いろいろな手技を身につける方が臨床医として有意義なのではないかと日々、自問自答していました。そして、ようやく、答えを見つけることが出来ました。
答:論文を書くと臨床力が上がる。
理由:自分のおこなっている医療データを集積し、統計的に解析し、きちんと自分で評価する。その結果を同業者の目にさらし、評価を受ける。その過程を経験することで、自分の医療をより客観的に評価できるようになるから。

この連載を読んで、大学病院勤務もそれなりに意味があったと思えるようになりました。大学病院の時は、論文作成を”やらされていた”感じだったのが、その後の市中病院では、自分で何故かなと思ったことに取り組み、自発的に論文作成に挑戦しました。
最初は、高ケトン体血症を呈する急性膵炎の患者さんを何人か担当しました。アルコール性膵炎で、十分な栄養が取れていなかったことが要因だと思われますが、ケトン体値と膵炎の重症度の関係が気になりました。そうすると、膵炎の患者さんの重症度を正確に評価し、しっかり治そうと意欲が湧いてきます。救急病院で、消化器内科医が私一人だったこともあり、膵炎の症例はドンドン集まりました。両者の間に正の相関関係があることが明らかになりました。学会発表にはこぎつけたのですが、論文は査読ではねられてしまいました。
次に、救急で運ばれてきた全身状態の悪い患者さんが、1年後、まったく同じ症状で救急搬入されました。しかし、2回目は救命することが出来ませんでした。この患者さんは2回とも致死的な高ケトン血症を呈していたので、予後にケトン体は関係なさそうです。生死を分けたモノは何か? 2回目の来院では乳酸値が高かったのですが、1回目は高くなかったことに気付きました。そこで、致死的な高ケトン血症を呈する患者さんを、生存したグループと永眠されたグループに分けて検討しました。その結果、永眠されたグループでは乳酸値が有意に高かったのです。学会で発表しましたが、これも査読ではねられ、論文として陽の目を見ることはありませんでした。
論文として形に残せなかったので、大きなことは言えませんが、テーマをもって診療にあたると、自ずと積極的になることを経験出来たと思います。

よもやま話(110)「診察で最近気付いたこと」

金曜日, 11 月 1st, 2019

寄り添うことは、まず聞くことから。【20代女性】10数年来の”おなら”の多さに悩んでいるとのことで来院されました。腹部の診察では、打診上、腸にガスが溜まっていることを示す「鼓腸」ではなく、S状結腸に固い便を触れるというわけでもありませんでした。”おなら”の臭いも特別強くは無いとのこと。便秘でも無いことから、病的な原因は見当たりませんでした。

”おなら”には主にメタンガスと硫化水素ガスがあります。炭水化物は乳酸菌等(善玉菌)によって代謝され、におわないメタンガスを産生します。蛋白質はウェルシュ菌等(悪玉菌)によって代謝され、におう硫化水素ガスを産生します。

未消化便は発酵しやすくガスの原因になるので、消化の良いもの(糖質)の比率を上げること、小腸での消化吸収を助けるために、消化酵素剤を処方すること、便が大腸に長く留まるとガスが発生しやすくなるので便秘しないような生活習慣を送ること。便秘予防の具体策としては、食物繊維を沢山摂る、水分をしっかり摂る、適量の運動やリラックスすることなどを説明しました。しかし、患者さんは納得された様子が無いまま診察は終了しました。

自分なりに、必要な説明をしたつもりだったので、「言われたことをやってみます。」というポジティブな返事が返ってこなかったのが意外でした。

どうすれば、患者さんに納得してもらえるだろうか考えてみました。私が話した内容なら、すでに他の医師が説明し知っておられたかもしれません。問診の際に、普段は何を食べているとか、何を食べるとガスが多くなる傾向にあるのかとか、ガスが出て困る時はどんな状況かとか、もっといろいろ聞きだすべきだったと思います。
”おなら”が多いということは、他人から見れば、大した問題ではないけれども、本人にとっては切実な問題なのですから、その悩みを理解してあげるだけかも良かったのかも知れません。答(治療法)を見つけるのではなく、苦しみを分ってもらえるだけで、楽になることもありますから。それが、「患者さんに寄り添うこと」かも知れません。

よもやま話(109) 『生きていく』

月曜日, 4 月 15th, 2019

可愛いおばあちゃん。プライバシーに気を付けながら、患者さんのことをご紹介します。皆さん、90才前後の「超」ご高齢の方ばかりです。

一人目】近所に一人暮らしをしている息子さんがいらっしゃいます。仕事が終わるのが毎日夜10時を過ぎるため、温かい夕飯を作って用意してあげるのが日課になっています。疲れて帰ってきて、冷たいご飯だったら心がすさみます。体力が続く限り、続けていきたいとのことです。
二人目】養護施設に入所しているお子さんがいらっしゃいます。バスと電車を乗り継いで、月に回、面会に行かれています。杖をついて、歩くのもおぼつかないのですが、顔を見せると喜んでくれるので、根性で続けておられます。
三人目】病弱のために入退院を繰り返しているお子さんがいらっしゃいましたが、長年の看病の甲斐なく、昨年亡くなられました。一時期、生きる意味を感じなくなられたようですが、毎日お線香をあげたり、法要をするために、もう少し生きていく気力がわいてきたそうです。

人が生きる場合、「生きていく」と「生きている」があるそうです(浄土真宗の住職さんの話)。この三人の方々は、まさに「生きていく」を実践されていると思います。

よもやま話(108) 腕組み

土曜日, 10 月 6th, 2018

腕組みは拒絶、怒りのポーズです。診察に付き添いの方が同席される場合があります。お子さんの親御さんとか、ご高齢の方のご子息とか、夫婦とか、いろいろです。本人の事が心配だから付き添われていると理解しています。本人から正確な情報が得られにくい場合は付き添いの方からの一言がとても重要なこともあります。
和やかな雰囲気が大事ですね。一方、用意した椅子に座ることも無く、腕組みをして無言で立たれる場合も(ごくまれですが)あります。
これから始まる診察や検査の結果いかんでは、大変なことになる事もあり得るわけで、付き添いの方も心穏やかでないのでしょう。ついつい、身構えてしまい、その結果、無意識に「腕を組む」という動作をしておられるものと思います。
しかし、正直なところ、腕組みをして無言で立たれると、診察する方としては、いささかプレッシャーを感じます。診察を監視されているような錯覚におちいり、診察も型通りの硬いものになりがちです。腕組みは相手を拒否する行動の表れとも言われています。名乗らなくても結構ですので、せめて、腕組みはやめて、フレンドリーに診察に参加しませんか?

よもやま話(107) 10年前の自分と出会う。

月曜日, 9 月 24th, 2018

古いカルテ先日、患者さんがご家族のことを説明されている話の内容から、「それ、ひょっとしたら、主治医は自分かも知れない。」と思い当たる節がありました。水曜日の午後の休診を利用して、以前、勤めていた病院に入院カルテを閲覧しに行ってきました。10年前の自分の書いたカルテを見るのは、とても新鮮でした。

当時は、まだ電子カルテが導入されておらず、紙カルテでした。ですから、自分の肉筆を見ることが出来ました。
入院時の診察所見、診断、治療計画。
ご家族への病状説明、治療計画、予後、の説明。さまざまな検査や治療の同意書。
治療の評価
更なる追加の治療
ご家族への病状説明(入院後の経過や追加治療の必要性、など)
難病の申請手続き
等々。
人工呼吸器の設定・管理などの記載を見て「こんな難しいことをやっていたんだ」と感心しました。リスクの高い処置にも次々と立ち向かっていました。10年前の頑張っている自分と出会えて嬉しかったです。

よもやま話(106) 「寄り添う」について考えてみました。

水曜日, 5 月 10th, 2017

雪だるまも寄り添っています。最近、よく耳にする言葉のひとつに「寄り添う」というのがあります。
「被災者の皆さんに寄り添って・・・」
「患者さんの気持ちに寄り添う医療を・・・」
などです。

この「寄り添う」のイメージでは、
・そばにいて、話を聞いてあげる。
・少し離れたところから見守っていてあげる
・少しでも明るい気持ちになれるように、励ましてあげる。
等々でしょうか。

でも、「寄り添う」を行動に移すとなると難しいのです。
話を正確に理解することが、話を聞いてあげるということでもないのです。
見守っているだけでは、気付かれないかもしれません。
励ますことが本人の自信を失わせ、逆効果になることもあります。

寄り添ったつもりでも、相手が寄り添ってもらったと感じたのか分かりません。
どうすれば、「寄り添ってもらえた。」と感じてもらえるのでしょうか?

「寄り添う」って難しい。
それが出来れば、医療人として、人として、一歩前進なのでしょうね。

よもやま話(105)  政治家の言葉

金曜日, 9 月 16th, 2016

徹底的に「無駄を無くします。」政治関連のテレビ番組を観ていて、私にとってのキーワードが2つあります。

①安心安全
「それを目指す(確率を上げる)」という意味であることは理解していますが、それを成し遂げることは不可能です。安心安全な社会ってあり得ますか? いくら自分自身が気を付けていても、人口の一定の割合で犯罪者はいるのです。予期せぬ事故だって起こります。物体が動けば、運動エネルギーが発生するわけで、そのエネルギーは危険なものになりえます。
日本では子供が学校に行く時、玄関で送り迎えをします「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と。映画を見ていると、アメリカでは親が車で学校まで送り迎えしています(スクールバスの場合もありますが)。少なくとも日本はアメリカより安心安全な国だと思います。

② 無駄を無くす。
以前、知り合いの大学病院の教授が「無駄を省くということで、秘書さんが配置されなくなってしまい、困っている。」と嘆いてました。
教授自らが、電話を取り、アポイントの管理をしているようです。
確かに、病院経営という視点でみれば、教授秘書は無駄でしょう。診療においては何の利益も出ませんから。しかし、教授が、診療・教育・研究に専念出来なければ、その方がよっぽど無駄だと思いませんか?
立場がかわれば、無駄の意味も変わるのかもしれません。

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よもやま話(104)  「勇気」

水曜日, 6 月 8th, 2016

勇気と言えば、アンパンマン!

大腸ポリープ切除術を安全におこなうには、介助の役割も大きくなります。
①ポリープの根元に生理食塩水を局注する。
②ポリープにスネアをかけて、締める。
③切除後の粘膜剥離面をクリップで縫合する。

これらの作業は、私一人では出来ません。介助者の手際の良い処置器具の操作が必要です。特に、クリップをかける際は、狭い大腸の中で、クリップを一旦広げて縫合出来るようにセットし、さらに、クリップを回転させて、剥離面の傾きにクリップの傾きを一致させます。こうすることで、クリップの左右の刃に均等な力が加わり、確実に縫合出来るのです。この操作が結構難しく、慣れを要します。

スタッフには、診療の合間に、ガーゼで作った模型の粘膜剥離面を使って、クリップで縫合する練習を繰り返して、操作に慣れてもらうようにしています。

しかし、本番はやはり緊張します。何度も経験しているスタッフでも、やっぱり緊張すると言っています。
先日「私がやります!」とポリープ切除術の介助についてくれた勇気あるスタッフがいました。とっても、嬉しかったです。操作は、確実に、慎重におこないますが、それでも、予期せぬトラブルは起こりえます。無事にすべての処置が終わった時は、スタッフと一緒にとても充実した気持ちになりました。
その勇気ある態度が、他のスタッフに波及したのでしょう。今度は、別のスタッフが自発的に介助についてくれました。

クリニックの柱は、正しい診断と的確な治療をおこなう能力だと思います。私は、勇気に満ちたスタッフと頑張っていける自信がつきました。

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よもやま話(103) サッカーU-23アジア選手権 日本代表 優勝

金曜日, 2 月 5th, 2016

ドーハの悲劇からのこの言葉! ブラジルでのオリンピック予選を兼ねた「U-23アジア選手権」で日本が2点のビハインドを跳ね返して3対2で勝ちました。嬉しかった!

私が一番感心したのは、後半も20分が経過し、残り25分しかない状態で、アナウンサーがしきりに不安や焦りをあおる言葉を連発している横で、解説の方が『大丈夫ですよ。ここから、落ち着いて、日本のペースに持っていけば良いのですから。』って話していたことです。どんなにピンチになっても、浮足立たない。いっぺんにファンになってしまいました。解説者の言ったとおりの試合展開になりました。そして、勝ちました。

監督もインタビューの受け応えが、シブくて良いですね。ただし、「昨日ははしゃぎ過ぎだと家内に怒られました。」っていうのはいただけないなあ。日本代表の監督なんだから、どんな時も堂々としていて欲しいです。奥さんとの力関係は他人に言わなくていいですから。

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