Archive for the ‘新型コロナウイルス感染症’ Category

新型コロナウイルス感染症⑧ 給付金

木曜日, 8 月 20th, 2020

給付金やマスクなど、有り難うございました。新型コロナウイルス感染症のため、受診を控える方が増えました。そのため、当院も「持続化給付金」を頂くことにしました。その他にも「休業手当」、医療従事者対象の「慰労金」、「感染拡大防止事業に対する補助金」など、いろいろな金銭的な公的支援を受けています。さらに、医療用マスク、N95マスク、感染予防用ガウン、フェイスシールドの現物支給もありました。品薄で手に入らない時に、わざわざ届けて頂き、本当に助かっています。

これらのサポートを受け、新型コロナウイルス感染症の蔓延した中でも、しっかりクリニックを運営し、少しでも世の中のためになるように『恩返し』しようと決意した次第です。

新型コロナウイルス感染症⑦ 「駐車場での診察の難しさ」

土曜日, 7 月 18th, 2020

熱のある方は、車で診察しています。新型コロナウイルス感染症が蔓延している現在、当院では感染拡大の防止の観点から、発熱のある方は発熱の無い方との接触を避けるために、車中か玄関先での診療をおこなっています。
20代女性】37℃台の発熱があるため、車中で聞き取りをおこないました。腹痛と下痢症状にて来院されました。血液検査で白血球の増多を認めたため、細菌感染と判断し、診察室に入って頂きました。右下腹部に圧痛(マックバーニー圧痛点陽性)を認めることから、虫垂炎を疑い、総合病院外科に紹介しました。CT検査で虫垂炎が確認されましたが、保存的治療(抗生物質の点滴)で軽快しています。
30代女性】37℃台の発熱があるため、車中で聞き取りをおこないました。腹痛で来院されましたが、ご本人が「ここを押すと痛いです。」と言われた場所が盲腸でした。血液検査で白血球の増多を認めたため虫垂炎を疑い、総合病院外科に紹介しました。CT検査で盲腸の憩室炎と診断され、保存的治療(抗生物質の点滴)で軽快しています。

今回、2人とも血液検査で白血球が著しく増えていたことが、診断の大きな助けになりました。もし、血液検査をすることなく、胃腸薬で様子を見ていたら、病状は更に悪化していたと思います。車中でも上手に採血してくれる看護師さんに感謝です。新型コロナウイルス感染症の影響で、通常であれば比較的簡単に診断できる病気まで難しい状況に追い込まれていると実感しました。
なお、多くの総合病院が、急患はまず胸部CT検査をおこない、肺炎像の有無をチェックするようです。肺炎が無ければ、本来の診療が進められるようになっています。

新型コロナウイルス⑥ 受診抑制

木曜日, 6 月 18th, 2020

新型コロナウイルスにマスクは必要です。新型コロナウイルス感染症の影響で、医療機関の受診を控える方が多くなりました。クリニックから総合病院まで、ほぼすべての医療機関で受診抑制がかかっているようです。当院も、もれなく受診抑制の波に飲見込まれています。

ネットの声をひろってみると、「これまでが、無駄な受診が多かった。今の状態が本当に必要な医療。」という意見が目立ちます。強いエネルギー(怒り?)を持った人々が書き込みをされているのでしょう。「医療機関を受診したいけど、新型コロナウイルスが怖いから、しばらく様子見ようかな。」程度の方は、わざわざ書き込まないかもしれません。

特に小児科で受診抑制が目立つようです。中学生以下(地域によって違います)は、医療費がかからないので、その分、これまでは気軽に受診していた傾向は否定できないと思います。子育て支援の一環として、子供の医療費を免除しているわけですから、新型コロナウイルスに関係なく不必要な受診は控えるべきだと思います。

ある本の一節に、『儲かるのは良いが、儲けるのは良くない。』というのがありました。つまり、結果的に利益が出ることは良いが、利益を出すことが目的になってはいけない、ということです。この言葉が結構心にしみています。

今後、新型コロナウイルス感染症と共に生活する世の中になれば、沢山の事が大きく変わっていくでしょう。医療機関も淘汰され、診療の形態も変わっていくでしょう。どんな世の中になっても、自分が正しいと思うことを続けていくしかないです。結果は、医師を終える時に出ます。

新型コロナウイルスについて⑤(特異度99%)R2/6/1

月曜日, 6 月 1st, 2020

日本全国に先駆けて『第2波』の真っ只中にある北九州市です。コロナウイルスとの戦いは、益々厳しいものとなってきました。
北九州市の風景です。
過去2回(3月と5月)、PCR検査についてブログをアップしてきましたが、いずれも、感度(陽性の人に正しく陽性と出る確率)70%、特異度(陰性の人に正しく陰性と出る確率)70%と仮定して説明してきました。最近、神奈川県医師会のHPで、特異度は99%と考えてよいと記載されていました。そこで、もう一度、計算し直してみました。

北九州市(100万人)では現在100人程度の陽性者がいますので、実際は、その100倍の1万人のコロナウイルス感染症の方がいると仮定してみます。市民全員にPCR検査をおこなった場合を想定しましょう。
コロナウイルス感染(+)の1万人を検査すると、7,000人が陽性に、3,000人が陰性に出ます。
コロナウイルス感染(-)の99万人のうち980,100人は正しく陰性とでますが、9,900人が間違って陽性(偽陽性)と判断されてしまいます。
その結果、コロナウイルスPCR検査の精度(PCR陽性の中の真のコロナウイルス感染患者さんの比率)は7,000/(7,000+9,900)=40%になります。

9,900人の偽陽性の方は、症状がありませんから、北九州市が用意したホテルに2週間滞在するか、自宅待機することになります。まったく無駄な対応です。

一方、コロナウイルスを持っているにもかかわらず、間違って陰性と判定された3,000人は、本人に悪気が無くても、感染源となってしまいます。

「99%正確な検査」と聞くと、ほぼ間違いのない検査方法と思いがちですが、その使い方を間違えると、とんでもないことになってしまうのです。

【私の意見】
★いまだに、「国民全員にPCR検査を」と主張しているコメンテーターは、日本を混乱に陥れようと考えているとしか思えません。
★マイナンバーカードの普及が進んでいないことで給付金が手元に届くのに時間がかかっているようですが、コメンテーターがカメラに向かって「皆さん、カードの扱いに慣れていませんよね。」って発言していました。開いた口が塞がりませんでした。マイナンバーカードと銀行口座を紐づけし、給付金がオンラインで直ぐに届くようにする。それが嫌な人の給付金は後回しで良いじゃないですか。

コロナウイルスについて思うこと④(有病率とPCR)R2/5/5

火曜日, 5 月 5th, 2020

色が濃ゆい程、感染がひどい国です。昨日、緊急事態宣言が今月いっぱいまで延期されることが発表されました。まだまだ、コロナウイルスとの戦いは続きそうです。

3月初めに、北九州市(100万人)に100人のコロナウイルス感染症の方がいると仮定して、全員にPCR検査をおこなうと、30万人もの偽陽性をもたらすことを説明しました。
あれから2か月経過し、コロナウイルスは蔓延を続けています。
そこで、北九州市に10万人のコロナウイルス感染症の方がいると仮定して、全員にPCR検査をおこなった場合を想定しましょう。
有病率0.01%から10%に上昇したことになります。

PCR検査の感度は70%程度です。コロナウイルス感染(+)の10万人を検査すると、7万人が陽性に、3万人が陰性に出ます。
PCR検査の特異度(陰性の人に正しく陰性と出る確率)も70%程度でしょう。
コロナウイルス感染(-)の90万人のうち63万人は陰性ですが、27万人が陽性(偽陽性)と判断されてしまいます。
その結果、コロナウイルスPCR検査の精度(PCR陽性の中の真のコロナウイルス感染患者さんの比率)は7万/7万+27万)=20%になります。

有病率が0.01%から10%に増えたことで、偽陽性患者さんは30万人から27万人に減少し、PCRの精度も0.02%から20%まで上昇しました。

もっともっと偽陽性患者さんを減らし、PCRの精度をせめて90%程度にあげるのにはどうしたら良いでしょうか?
簡単です。PCR検査を全員におこなうことを止めて、コロナウイルス感染が疑われる患者さんだけにしぼって検査をおこなえばいいのです。もちろん、疑わしい患者さんに検査をしないというのは論外ですが。
患者数が少ない時(発症初期)は対象を絞ってPCRをおこない、感染が蔓延してきたらPCRを活用すると有効な感染対策が出来ると思います。なぜ、ワイドショーで、この理屈を説明しないのか不思議です。

【補足】
① 島津製作所から新しいPCR検査キットが発売されました。これは、測定時間が従来のものより大幅に短縮されただけです。従来のPCR検査との一致率は100%ですが、感度は従来のものと同じです。
② 諸外国に比べてPCR検査が少ないことが指摘されますが、有病率が全然違います。例えば、イタリアは1万人にあたり40人ですが、日本はわずか1人です。(それを言うと、検査が少ないから正確な感染者数を把握できていないという方がいますが、死亡者数をみてもその差は歴然としています。)

コロナウイルスに思うこと③(R2/4/18)

土曜日, 4 月 18th, 2020

トイレはふたをしてから流しましょう!先日、日本全国に『緊急事態宣言』は発令された新型コロナウイルス肺炎との戦いはまだまだ続きそうな情勢です。当院も試行錯誤を繰り返しながら、より安全な方策を考えて取り組んでいます。

① 人→物→人感染に注意する。
新型コロナウイルスは人→人の感染を来しますが、人→物→人の感染もクローズアップされてきています。外出制限をおこなっても、感染者が思うように減らない一因と考えられています。そこで、院内での物からの感染を防ぐために、待合室の雑誌を引き上げ、給湯器(サーバー)をストップしました。消毒液での拭き掃除を朝と午後の診療開始前におこなっています。特に、受付テーブル、診察台(1診、2診)、処置室テーブル、ストレッチャーなど、多くの方が触れる場所は特に注意しています。

② 便からの感染に注意する。
新型コロナウイルスは便中に大量に存在しているようです。トイレのふたをしないで水を流すと、ウイルスが飛散するので、必ず、ふたをしてから水を流すことが大切です。そこで、当院では、大腸カメラの前処置の下剤はご自宅で飲んでもらうことにしました。また、スタッフには、トイレ掃除の際は、ゴーグルを付けるように指示しています。
便器はもちろんのこと、ふたの内側、レバー、操作パネルおよび壁も消毒液での拭き掃除を指示しています。

③ 感染の可能性のある方とそうでない方の動線を分ける。
発熱、咳、呼吸苦、強い倦怠感、味覚・嗅覚異常、等の症状のある方は、最初に「帰国者・接触者相談センター」に相談してもらいます。その結果、クリニックでの診察を指示された場合は、当院でも対応しています。電話連絡を受けて、車で来院される場合は、駐車場で聞き取りをおこないます。歩いて来られる場合は、玄関脇に椅子をご用意していますので、そこで聞き取りをおこないます。症状から処方をおこない、数日間の自宅療養(経過観察)をお願いしています。症状の改善が無い、増悪した場合は、再度「帰国者・接触者相談センター」に連絡するか、発熱外来をおこなっている総合病院に問い合わせています。

コロナウイルスに思うこと② 令和2年4月5日

日曜日, 4 月 5th, 2020

(青:欧米) vs (赤:日本)コロナウイルス感染によって、日々刻々と情勢が変わっていきます。クリニックを訪れた皆さんや私を含めたスタッフがクリニック内で感染する確率を出来るだけ低くする努力は怠らないようにしようと考えています。

① 換気を良くする
待合室、検査室、リカバリールーム、等窓を少し開けて新しい風が入るように心掛けています。
② スタッフのマスク着用・消毒の徹底
受付、ドアノブ、トイレ回りなどアルコール消毒をこまめにやっています。待合室の雑誌や冊子は感染予防のために引き上げています。
③ 予約枠の増設
これまで、午前中1時間、午後1時間の予約枠を取っていたのですが、現在、午前中2時間、午後1時間に増やしています。予約は15分に1名ですので、予約時間どおりに来院してもらえば、患者さん同士が接する機会はかなり少なくなります。
④ 電話再診の活用
慢性疾患や難病で通院している方で、病状が落ち着いていれば、電話再診が可能です。来院する必要が無くなりますので、「もし、クリニックで感染したら・・・」という不安は解消できます。ご希望の薬局に処方箋をFAXしておきますので、ご自身で薬を取りに行ってください。
⑤ 診察の工夫
病状が安定している方であれば、診察室では問診だけにしています。聴診器を当てたり、触診することは控えています。2分以内の会話であれば、感染の可能性は低いとのことですので、今は簡素な診療を心がけています。なお、初診の方やいつもと症状が違う方はこれまで通り、しっかり診察します。
⑥ 発熱・咳症状の方の動線をそれ以外の方と分ける
発熱・咳症状で、車で来院された方は車内で待機してもらいます。タクシーや歩いて来院された方は待合室と離れた場所で待ってもらっています。感染予防の観点から止むを得ず導き出した方策です。ご理解の程よろしくお願いいたします。

【余談❶】ネットで見つけたグラフです。縦軸はコロナウイルス感染者数です。縦軸が対数であることに注意してください。0→10→100→1,000→10,000といった具合に等間隔になっています。横軸は時間です(3/25現在)。
感染者は指数関数的(倍、その倍、さらにその倍というふうに)に増えていきますので、患者数を対数でみると直線になります。
青い直線が欧米で、赤い直線が日本です。日本の傾きは非常に緩やかです。このグラフを見て、皆さん少しでも安心してください。

【余談❷】
「いたがき歯科クリニック」つれづれ日記』というブログを読むと、とっても勇気が湧いてきます。東京の方で開業されている歯科医さんです。

コロナウイルス感染症①(公衆衛生学的アプローチ)

水曜日, 3 月 11th, 2020

PCR(陽性):70(コロナ有り) 299,970(コロナ無し)
PCR(陰性):30(コロナ有り)   699,930(コロナ無し)

北九州市(100万人)に100人のコロナウイルス感染症の方がいると仮定します。
(令和2年3月10日現在 1名の報告あり)。
有病率は100/1,000,000=0.01%です。
コロナウイルス感染症の診断に用いられているPCR検査の感度は70%程度とされています。ですから、コロナウイルス感染(+)の100人を検査すると、70人が陽性に、30人が陰性に出ます。
PCR検査の特異度(陰性の人に正しく陰性と出る確率)の報告が見当たらなかったので、仮に70%と設定します。100万人から100人を差し引いた999,900人の70%(699,930人)が正しくPCR陰性と診断されます。しかし、999,900人の30%に相当する299,970人もの方がコロナウイルス感染していないのにPCR陽性(偽陽性と言います)と判断されてしまいます。
その結果、コロナウイルスPCR検査の精度(PCR陽性の中の真のコロナウイルス感染患者さんの比率)は70/70+299,970)=0.02%と異常に低い値になってしまいます。

100万人都市で100人の病気の人を探すために、全員にPCR検査をおこなうと、約30万人の人が該当してしまうのです。このように、有病率の低い疾病に対して「全例検査」は莫大な『偽陽性』を増やし、社会を混乱に陥れ、助けなければならない人を助けられない状態をもたらすだけです。

しかも、治療法が確立していない現状では、早期に診断することで救命率が上がるわけではありません。仮に、コロナウイルス感染症と診断がついても、軽症であれば、自宅療養を指示されるだけです(コロナウイルス肺炎の80%は軽症)。日々、死の恐怖を意識しながら自宅で過ごすのであれば、知らないで「念のため」と思って過ごす方が精神的に楽だと思うのです。

コロナウイルスのPCR検査は、必要な人に限っておこなうべきなのです


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