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中野胃腸クリニックBLOG » 腹痛

Archive for the ‘腹痛’ Category

膵がんと肥満

木曜日, 9 月 1st, 2016

膵がんは、男女とも近年増加傾向にあります。男性はがん死の第位、女性は第位で、これは乳がんよりも多いのです。先日、膵炎症状から膵がんが見つかった方がおられました。BMIが30以上でした。
BMIとは?

50代の方で、心窩部痛と背部痛を主訴に来院されました。アルコールの摂取も普通ですし、特別高脂肪食や高蛋白食を好んで食べるというわけでもありません。エコー検査で胆石は認めませんでした。背部痛が気になったので、血中の膵酵素を測定したところ、アミラーゼ(炭水化物を分解する酵素)もリパーゼ(脂肪を分解する酵素)も上昇していました。特にリパーゼは正常上限の10倍でした。リパーゼは膵臓の病気以外で上がることは、ほとんどありません。膵臓の病気を見つけるのに非常に有用な検査です。そのリパーゼが異常に高い。膵炎の原因もはっきりしない。何か腑に落ちないものを感じたので、CT検査を受けて頂きました。その結果、2cmの膵腫瘍が見つかったのです。

膵臓に腫瘍が出来ると、正常な膵液の流れを妨げてしまいます。腫瘍によってせき止められた膵液が膵実質に炎症をおこし、また、血中に逸脱していきます。腫瘍があることに随伴しておこるので『随伴性膵炎』と言います。膵炎を診た時は、常に、念頭に入れておかなければいけません。

膵がんのリスクファクターとして、喫煙飲酒糖尿病、などがあります。意外と思われるかもしれませんが、肥満もリスクファクターです。肥満による高血糖や高脂血症が発癌を促進すると考えられています。この方の膵がんの原因は肥満だったかもしれません。

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年齢が若いから胆石は無いだろう。と決めつけていました。

火曜日, 6 月 21st, 2016

先日、20代前半の女性で、胆石と総胆管結石による上腹部痛(心窩部痛)の患者さんがいらっしゃいました。年齢が若いから胆石はないだとう。と決めつけていたことで、診断までに遠回りをしてしまいました。

総胆管は肝臓と十二指腸をつなぐ管です。20代前半の女性で、食後に胃の辺りと背中が痛むために来院されました。2度目の診察で、胃カメラを受けて頂きましたが異常は見つかりませんでした。
胃薬で様子を見ていましたが、しばらくして、再び強い痛みが出たため、3度目の診察でエコー検査をおこない、胆石を確認しました。「まさか!」って感じでした。さらに、血液検査では、肝胆道系酵素が異常値を示していました。直ちに、大学病院を紹介し、CT、MRIなどの精密検査の結果、「胆のうと総胆管に結石あり」と診断されました。総胆管結石を内視鏡的に摘出した後に、胆のう摘出術が施行されました。

胆石症は「太った40代の女性」に多いということが定石です。太った(fatty)、40代(forties)、女性(female)といずれも『F』で始まるので覚えやすいのです。ところが、胆石・総胆管結石患者さんの男女比は1対1.2でさほど女性に多いわけではありません。50~60代にピークがあり、40代ではありません。「胆石は40代の女性に多い」という誤った概念を払しょくしなければなりません。

胆石・総胆管結石患者さんの15%は20代、30代であることから、決して、若年者にはまれというわけでもないのです。

実は、もうひとつ、反省しなければいけないことがあります。患者さんが、介護職だったため、きっと仕事のストレスが大きいだろうなあ。と勝手に想像していたのです。胃の痛みも『仕事のストレス』の要因が大きいと決めつけていました。

そういった点を反省しながら、カルテを見直していると、初診時に「背中も痛い」と記載しているではないですか! 胃潰瘍では背中は痛くなりません。胆石なら、右の肩甲骨あたりに痛みが放散することがしばしばあります。最初の出だしでつまずいていたのです。

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医療の話   大腸カメラ後の虫垂炎

日曜日, 10 月 4th, 2015

最近、この人、何回も出てきてます。【20代の方です】
腹満感や便通異常の精査目的で大腸カメラを受けて頂きました。検査は、通常通り終了し、大腸に異常を認めませんでした。
検査後からお腹の張りを自覚していたのですが、徐々に悪化したため、検査後5日目に来院されました。盲腸の部位に一致して圧痛を認め、血液検査でも白血球が増えていることから、大腸カメラが誘因となった虫垂炎と判断しました。
それほど、強い痛みではなかったため、抗生物質で経過をみることが出来ました。

大腸カメラの前処置で飲む下剤の影響で糞便が虫垂口に詰まったり、検査の際の送気が刺激になったことで、大腸カメラ後に虫垂炎を起こすことがまれにあります。
今回も、そういった経緯であろうと判断し、慌てることなく、診察できました。

文献を調べてみますと、色々な報告がありました。
・大腸カメラの後に腹膜炎を来したが、原因は、虫垂に魚の骨が刺さったためであった。

・大腸のポリープ切除をした後に、大腸の穿孔を来し緊急手術になったが、穿孔の原因はポリープを切除したためではなく、虫垂炎が破れたためであった。
などなど。

大腸カメラの後に虫垂炎をおこすことがある。」ということを知っていなければ、検査の後の腹痛に主治医が動揺し、その後の対応を誤り、患者さんに余計な不安(又は怒り)を与えることになります。知識(経験)が大事であることを改めて感じました。

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医療の話  病原性大腸菌 O-157

日曜日, 9 月 20th, 2015

これが、O-157です。

これが、O-157です。

【40代の方です】
焼肉を食べて6日後に、腹痛、下痢、下血で来院されました。すぐに、大腸カメラをおこなうと、盲腸から上行結腸にかけて、激しい粘膜の浮腫や発赤、出血、びらん、潰瘍、などの異常所見が認められました。また、健常な粘膜をはさんで、病変が点在している様子から感染性腸炎が疑われました。盲腸~上行結腸に好発する菌は病原性大腸菌が有名です。肉を食した経緯も、病原性大腸菌に合致します。O-157に良く効くクラビットを処方しました。しかし、翌日、腹痛が強くなったため、大学病院に入院して頂きました。後日、便検査でO-157とベロトキシンが検出され、保健所に届けました。
今回は、診断から治療までが非常にスムーズに進みました。特に、初診時に直ぐに大腸カメラを受けて頂いたことが大きかったと思います。当初は、「虚血性腸炎」を想定し、S状結腸までの観察予定でしたが、S状結腸に異常が無いため、どんどんカメラを進めていった結果、盲腸の異変にたどり着きました。

【苦い思い出】
勤務医の頃、O-157の患者さんを担当したことがあります。やはり、腹痛、下痢、下血で緊急入院となったのですが、O-157の確定診断に必要な便検査の結果が出るまで数日かかります。CT検査でも盲腸~上行結腸が腫れており、さらに腹水も溜まっていました。O-157を想定してクラビットの投与は始めていたのですが、入院2日目、3日目と、確定診断が得られないまま、全身状態は悪化する一方でした。病状に不安を感じられたご家族から転院の申し出があり、大学病院にお願いしました。転院された翌日にO-157と判明しました。その後、ようやくクラビットが効いて、快方に向かったとのことでした。

裁判官!【溶血性尿毒症症候群と裁判】
O-157はベロトキシンが溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、死に至ることがあります。HUSは赤血球が破砕され溶血性貧血を起こし、同時に、血小板減少と腎不全を合併する病態です。ベロトキシンの影響で腎血管内に血小板血栓が生じることが原因とされています。
私が研修医だった頃(30年前)、神戸でO-157によるHUSがもとで亡くなったお子さんの裁判がありました。被告の開業医が「HUSの存在を知らなかった。」と弁明したのですが、「医師は知らなかったでは済まされない。」と有罪になりました。今でこそ、O-157HUSの関係は周知の事実ですが、当時は、まだそこまで医学が進んでなかったと思います。医師の責任の重さを感じた出来事でした。
なお、HUSの早期発見のコツは、毎日尿の蛋白と潜血をチェックすることです。案外簡単です。

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医療の話   ナットクラッカー症候群

日曜日, 8 月 23rd, 2015

ナットクラッカー症候群の解剖図!

ナットクラッカー症候群とは、左腎静脈(LRV)が大動脈(Ao)と上腸間膜動脈(SMA)に挟まれることによって、腎臓から下大静脈への血流が悪くなり、左腎静脈圧が高くなる病態です。一般的には、血尿や左側腹部痛の症状が出ます。

ナットクラッカー症候群は私が好きな病態のひとつです。なぜなら、完璧に思える人間の肉体で、数少ない構造的な弱点のひとつなのですから。

大学病院勤務時代、ポリクリの学生さんに「腹部エコー」のベットサイドティーチングを担当していました。その時に、必ず、このナットクラッカー症候群を紹介していました。しかし、医師になって30年間、一度もお目にかかったことが無かったのです。

先日、腹痛の患者さんのエコー検査をした際に、左腎静脈の拡張と大動脈をまたいだ後の急な細まりを見つけました。「これは、ひょっとして。」と胸の高鳴りを覚えました。腹部CT検査を受けて頂き、診断が確定しました。今後の治療は、大学病院にお任せしましたが、とても大きな充実感を得た出来事でした。

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医療の話  虫垂炎

月曜日, 7 月 27th, 2015

お腹痛いっ!先日の土曜日の朝、急な吐き気のために、中学生の方がお父さんに付き添われて、来院されました。診察室に入ってくる姿は、お腹をくの字に曲げてはいません(腹膜炎はなさそう)。昨夜は生ものを食しておらずあたりでもなさそう下痢や発熱はありません。同じ症状のクラスメイトはおらず(ウイルス性の嘔吐下痢症ではなさそう)、今日、特別なイベントはないとのことでした(ストレスでもなさそう)。

いつものようにお腹の診察を進めていきました。虫垂のある右下腹部を圧迫した際に、強い痛みを訴えられました。本人も私も、お父さんもみんなびっくりしました。血液検査で白血球数が15,000(正常は6,000程度)と著しく増加していました。

虫垂炎スコア(*)は6点(10点満点)で、強く虫垂炎を疑う点数ではありませんでしたが、虫垂炎の手術適応を判断しるために、大学病院に診察をお願いしました。CT検査で虫垂の腫れが確認されましたが、まずは、抗生物質で様子見ることになったとのことです。

問診からはまったく予想していなかった今回の虫垂炎ですが、診察の際の必ず盲腸の所も圧迫してみる習慣が役に立ちました。いろいろ考えるよりも、まずは、ていねいな診察の大切さを再確認しました。

虫垂炎スコア(*)  <7点以上:虫垂炎の確率が90%>

① 痛みの移動  (1点)
② 食欲不振   (1点)
③ 嘔気・嘔吐   (1点)
④ 右下腹部圧痛 (2点)
⑤ 反跳痛 (1点)
⑥ 発熱 (1点)
⑦ 白血球増多 (2点)
⑧ 白血球の左方移動  (1点)   <合計10点>

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医療の話  やっぱり難しい「急性すい炎」

月曜日, 6 月 22nd, 2015

先日、早朝より急に胃が痛みだした患者さん(40才代、男性)が来院されました。
あつかんもイイね。【問診】昨日の夕食はかつ丼で、お酒はいつものようにビール350mL程度だったとのこと。発熱なく、嘔吐、下痢はしていません。
【診察】心窩部に強い圧痛を認めましたが、腹膜炎の所見はなく、腸雑音は弱いながらも聴取出来ました。
【検査】血液検査で白血球の増多を認め、腹部レントゲン撮影では、わずかに小腸のガス像を認め、腸炎を起こしている様子でした。エコー検査で、胆石や腹水はなく、すい臓は見える範囲には異常はありませんでした。

【診断】???
さて、困ってしまいました。急性すい炎を起こすほとんどの人はアルコール多飲か高蛋白食を摂っています。もしくは、胆石があります。血圧が異常に高かったので、解離性動脈瘤の様な「血管性の腹痛」も頭をよぎりました。

【治療】兎に角、痛みを緩和させるために、鎮静剤を注射しましたが、効果がありません。『急性腹症』の病名で、救急病院に精査治療をお願いしました。

【経過】救急病院のCT検査で「急性すい炎(軽症)」と診断されました。なお、翌日に、すい酵素(アミラーゼ、リパーゼ)が異常高値であったことがわかりました。

最近、ブログで「腑に落ちない腹痛は急性すい炎を意識しながら診療しています。」と書いたばかりなのに、今回も、急性すい炎を強く意識したうえで転院して頂くことが出来ませんでした。

血液生化学検査やCT検査の結果を見て、次のステップを考えるのではなく、クリニックで診療をする以上、より詳細な問診と注意深い診察、そして、最小限の検査で急性膵炎が診断出来るようになるしかありません。

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平成26年の診療報告から(3)  急性膵炎

水曜日, 4 月 8th, 2015

平成26年は急性膵炎の方が5人いらっしゃいました。

医学書には腹痛お腹が痛い!の5%は急性膵炎であると書かれていますが、おそらく、救命救急センターの様な施設での統計だと思います。クリニックに腹痛でみえる方は、歩いて来院されるわけで、急性膵炎によく見られる救急車で搬入されるような激しい腹痛の方はいませんから。

この5名の方の内訳は41歳から94歳までと年齢の幅が広く、アルコール性が1名、胆石性が2名、特発性(原因不明)が2名でした。
自覚症状は上腹部痛を訴え方が多く、なかには「嘔気、食欲不振」のような膵炎を連想しにくい訴えもありました。

診察上の共通点は、「腸雑音の減弱」です。あまり、お腹が動いていないのです。かといって、腸閉塞の様な危険な音(メタリックサウンド)はしません。そして、お腹全体的に少し張った感じなのです。腹膜炎の様な「カチカチ」のお腹ではないけど、やわらかいお腹でもない。その中間で、何となく気になるお腹なのです。押えて痛むところははっきりしません。

次に血液検査で白血球数をチェックします。院内で測定しますので、直ぐに結果を確認できます。胃潰瘍では白血球は増えませんから、白血球が増えていれば胃の病気ではないと考えます。この5名の方も皆さん白血球が増えていました。

次にエコー検査をします。胆石や、肝内胆管の拡張などの所見があれば、診断は絞られてきます。しかし、大抵は、腸管ガスが多く、得られる情報は少ないです。

ここからがいつも思案のしどころです。血液生化学検査(膵酵素など)の結果は、原則、翌日に判明します。「明日、結果を聞きに来てください。」といってお腹の痛い患者さんを帰すわけにはいきません。結局、ある程度、膵炎に診断を絞り込んだうえで、救急病院か大学病院に直ぐに診て頂くようにお願いしています。

勤務医の時は、血液生化学検査やCT検査が直ぐに出来ましたから、急性膵炎の診断は比較的容易でした。むしろ、重症度判定に神経を使っていましたが、クリニックの診療ではこの辺りに限界を感じます。

「何となく腑に落ちない腹痛」は急性膵炎の可能性を考えながら、診療にあたっています。


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医療の話  解離性大動脈瘤

木曜日, 10 月 30th, 2014

赤い血管が大動脈です。今回は、『的確な診断には詳細な病癧の聞き取りが必要である。』というエピソードです。

40代の女性。1週間前から肩甲骨の辺りが痛くなり、数日後には、上腹部が痛くなりました。昨日あたりから腰も痛くなり、当院を受診されました。
血圧が170/110 mmHg に上がっていましたが、「痛みのためかな」と思い、それ程、気にかけませんでした。
エコー検査で15mmの胆石を2個認めましたので、「胆石による腹痛」と判断しました。胆石では度々、肩甲骨辺りが痛くなりますから。ただし、胆石が胆嚢の頚部に詰まっているわけでもなく、胆嚢炎の所見も無いので、「本当に胆石が原因かな?」という疑問は残りましたが、精査治療のために救急病院を受診して頂きました。

救急病院でCT検査を受けた結果は、意外にも「解離性大動脈瘤」との診断でした。痛みは、解離の生じた部位(肩甲骨辺り)から解離の進行に伴い、腹部から腰部へと移動していったわけです。

①痛みの場所がドンドン移動している。
②普段は高血圧ではないのに、血圧が上がっている。
③胆石はあるが、食事の時間や内容と関係なく痛みが出現している。エコー検査でも、石が詰まったり、胆嚢炎をおこしている所見が無い。

このように、冷静に考えれば、十分「解離性大動脈瘤」は想像される疾患でした。紹介状に「解離性大動脈瘤の疑い」と書けなかったことがとっても悔しいですが、患者さんが元気になられて何よりでした。

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医療の話  虫垂炎(下巻)

水曜日, 8 月 27th, 2014

たった今、虫垂を切除しました。たびたび遭遇するけれども、意外に診断が難しい「虫垂炎」(いわゆる盲腸というやつです。)について、前回からの続きです。

今年になって虫垂炎と診断して、総合病院の外科に紹介した患者さんのなかに、CT検査の結果、虫垂炎ではなかった方が2名(Aさん,Bさん)いらっしゃいました。
また、その一方で、腹痛の原因を調べるために救急病院でCT検査をお願いして、虫垂炎とわかった患者さんが3名(Cさん,Dさん,Eさん)いらっしゃいました。
この5名の方々について、虫垂炎の診断ポイント8項目を再検証してみました。
【結果】
Aさん:6点
Bさん:5点
Cさん:5点
Dさん:3点
Eさん:0点

【思ったこと】
Aさん、Bさんに関しては、総合病院で抗生物質の処方がされています。確定診断の基準となる7ポイントを下回っていたわけですから、クリニックで抗生物質を処方して、患者さんにもうしばらく様子をみることを提案するべきだったと反省しています。

Cさん、Dさん、Eさんとも、確定診断の目安となる7ポイントを大きく下回っていたので、診断は難しかったと思います。特にDさんとEさんは、虫垂炎を否定して良い4ポイント以下ですから、CT検査の結果を知った時は「まさか!」と思いました。3名とも虫垂炎の手術が無事に施行されています。

クリニックに来院される時点では、痛みが未だ右下腹部に移動していない状態であることもたびたびあります。腹痛で来院された場合は、常に「虫垂炎」の可能性を念頭に置き、もっともっと診断の精度を上げていこうと思いました。

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