Archive for the ‘糖尿病’ Category

糖尿病 シリーズ(16) 75g糖負荷試験のススメ

火曜日, 10 月 26th, 2010

糖尿病は治らない慢性の病気です。一生付き合っていかなくていけません。だからこそ、治せるごく初期の段階での対策が必要なのです。合併症がないうちか、あっても尿中の微量アルブミンが正常範囲をわずかに上回る程度なら、食事療法と運動療法で健康な体に戻ることが可能です。この時期を逸すると、延々と糖尿病との付き合いが始まるのです。この時期こそ、全精力を傾けて、糖尿病と向き合うべきです。

では、どうしたら、ごく初期の段階で発見できるか?それは、75g糖負荷試験がベストです。難しい検査ではありません。甘いサイダー(75gの糖分を含んでいます)を飲む前、飲んで1時間後と2時間後、合計3回血糖を測るだけです。健診で空腹時血糖が正常だけど高めの方(100~110mg/dl)や肥満の方は積極的に受けることをお勧めします。

【参考】費用は800円程度です(3割負担)。検査に要する時間は2時間あまり。検査当日は10時間以上の絶食が必要条件です(水は飲んでもよいです)。

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糖尿病 シリーズ(15) 進化したインスリン

土曜日, 10 月 23rd, 2010

食事をすると1~2時間、血糖が上がります。それにあわせて、すい臓からインスリンも多めに分泌されます。食事と食事の間、血糖は上がりませんが、インスリンは少しずつ持続的に分泌されています。これを基礎インスリンと言います。
インスリン注射この生理的なインスリン分泌を真似する形でインスリン注射をおこないます。インスリン注射には、大きく分けて、食後の過血糖を押さえる目的のインスリン注射と基礎分泌を補う注射の2種類があります。

 

数年前までは、インスリン注射は食事の前30分に打つ必要がありました。今では、吸収性が改善され食事の直前に打てるようになりました。これだけでも随分楽になったと思います。例えば、ファミリーレストランで、注文してから食べるまで30分待つなんて出来ません。
また、基礎分泌を補充するインスリンもきちんと24時間同じ濃度が維持できるようになりました。

やむを得ずインスリンをうつ必要が出来ても、落ち込む必要はありません。むしろ、インスリン治療を早めに導入することで、すい臓を休めることになり、インスリン分泌能が復活する可能性だってあります。

練習用注射と人工皮膚

【おまけ】30年ほど前はブタやウシのインスリンを打っていたのですよ!信じられますか?

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糖尿病 シリーズ(14) ペットボトル症候群

水曜日, 10 月 20th, 2010

ペットボトルに入った清涼飲料水(コカコーラなど)をお茶代わりに毎日飲んでいると、血糖値が急激に上昇し、最悪の場合、意識障害と脱水症を来たすことがあります。血液中にケトン体という物質が大量に発生したために起こります。若い人で、肥満気味の方に起こりやすい病態で、「ペットボトル症候群」と名付けられています。
 清涼飲料水は飲まないで、水かお茶にしましょう。

最近は「カロリーゼロ」のコーラも出ていますが、人工甘味料を使用しています。
この人工甘味料は、味は甘いけれども独特な後味があります。安全性については使用が認可される前から多くの研究や議論があり、1983年に日本とアメリカでも使用が認可されましたが、今でも意見が分かれています。3人に1人が肥満というアメリカでは、肥満や糖尿病の方がより大きな国民的問題なのでしょうね。

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糖尿病 シリーズ(13) 糖尿病は遺伝する

火曜日, 10 月 19th, 2010

親族に糖尿病のいる人が糖尿病になる確率は25%程度です。4人に1人の割合です。
一方、親族に糖尿病がいないのに糖尿病になる確率は15%程度です。
 このように糖尿病は遺伝性の病気なのです。しかし、家族で同じものを食べているわけで、食事などの環境因子もかなり関係しているかもしれません。
 

 糖尿病の家族歴がなくても発病するということは食事や運動不足が大きく影響しているといえるでしょう。
 過食、肥満、運動不足に気をつけなければ糖尿病になる危険性は誰にでもあります。親族に糖尿病のいる方は、より一層、気を付けなければいけません。

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糖尿病 シリーズ(12) HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

木曜日, 10 月 14th, 2010

糖尿病のコントロール状況を最も的確に表現する検査です。血液を採って調べます
 赤血球の真ん中に存在するヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きをしています。ヘモグロビン全体の中でブドウ糖がくっついているヘモグロビンの割合(%)を示した数字がHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。赤血球の寿命が120日ですので、HbA1cの値はここ1~2ヶ月の血糖値を反映します。
 糖尿病患者さんではこのHbA1cを6.5%以下にすることを目標とします。ちなみにHbA1cが6%だと平均の血糖値は126mg/dl前後です。7%で154mg/dl程度になります。HbA1cが10%だと240mg/dlというとんでもない値になります。
 国民健康保険の特定健診ではHbA1cが5.2%以下であれば安心としています。今一度、健診結果を見直してみて下さい。

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糖尿病 シリーズ(11) 予防目的で薬を飲む。

火曜日, 10 月 12th, 2010

糖尿病になったら、その状況に合わせて薬をのみます。場合によってはインスリン注射を打ちます。しかし、それらは終わることがなく、永遠に続きます。
 それだったら、治せる見込みがあるうちに、つまり、境界型糖尿病のうちに治療をするべきだと思いませんか? もちろん、境界型糖尿病であれば、食事療法と運動療法だけで治る可能性は十分あるので、これまではそのように指導されてきました。しかし、その2つが出来ないから糖尿病になったわけで、ほとんどの方が急に生活習慣を改めるのは無理なのです。
ベイスン錠 武田製薬のHPより そこで、境界型糖尿病から糖尿病への移行を予防する目的でベイスン(武田製薬)という薬を内服出来るようになりました。画期的なことです。何故なら、我が国の保険診療はこれまで予防目的での薬の処方は一切認められていませんでしたから。
 積極的に75g糖負荷試験を受けて頂き、境界型糖尿病か正常なのかを見分けることから始めましょう。

【余談】脳梗塞や心筋梗塞の患者さんが飲んでいる抗血小板剤は時々胃潰瘍をつくります。武田製薬は、自社の胃薬が、この条件で出来る胃潰瘍を予防出来る臨床データをまとめました。近々、国から認可が下りる予定です。日本で一番大きな製薬会社だけあって、目のつけどころがシャープじゃなくて素晴らしいですね。感心します。

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糖尿病 シリーズ(10) 1型糖尿病の経験

水曜日, 10 月 6th, 2010

大学病院に勤めていた頃に、1型糖尿病の患者さんを担当しました。経過が示唆に富んでいたので論文にまとめ医学雑誌に掲載されました。

患者さんは60歳台の男性でした。風邪をひいたあとに、急性すい炎をおこしました。その数日後に血糖値が800mg/dlになりました。通常は80~160mg/dl程度ですから、ひどい高血糖です。突然、糖尿病が発病したわけです。インスリン注射で血糖は何とかコントロール出来ましたが、これを機にご本人のインスリンを出す力は消えてしまいました。一生、インスリン注射が必要になりました。血液検査の結果、サイトメガロというウイルス感染による1型糖尿病と診断しました。

(糖尿病はほとんどが過食によってゆっくり発症します(2型糖尿病)。若年者でウイルス感染などを契機に急に発症するタイプを1型糖尿病といいます。)

【注目点】
① 1型糖尿病は若い人の病気で、60歳以上での発病は珍しい。
② すい炎に引き続いて発病している。
③ すい炎も糖尿病もウイルス感染が原因と考えられた。

文章にすると重症感が伝わりにくいのですが、実際は半年間入院されていました。

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糖尿病 シリーズ(9) 尿中の微量アルブミン

火曜日, 10 月 5th, 2010

糖尿病の合併症の出現時期は、
① 3年後:神経障害(しびれ、ほか)
② 5年後:腎障害(微量アルブミン尿)
③ 7年後:単純性網膜症

が目安です。腎障害は透析への一歩ですし、網膜症は失明への最初の変化です。
神経、腎臓、網膜(目)に合併症がおこりやすのは、これらの臓器が非常に細い血管が集中しているためです。血糖値が高いと、太い血管は大丈夫でも、細い血管は詰まったり破れたりします。

 尿に微量アルブミンが基準値をわずかに上回る程度でているような初期の腎障害であれば、糖尿病の治療をしっかりおこなえば、完全に治る可能性が残っています。蛋白尿が出たり、足がむくむほどの腎障害が出てからでは、もう治るということはありません。
 それゆえに、この尿中の微量アルブミンの早期発見が重要になってきます。境界型糖尿病の方や、食事療法、運動療法だけでコントロール出来ているような軽い糖尿病の方こそ、尿中の微量アルブミンのチェックが欠かせないのです。

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糖尿病 シリーズ(8)

木曜日, 9 月 30th, 2010

【問題】
次の3つの食事療法で、最もダイエット効果があったものはどれですか?
① 低脂肪食のカロリー制限食
② カロリー制限した地中海食
③ 低炭水化物でカロリー制限なし
#地中海食とは長寿である地中海地方の食事。オリーブオイルをふんだんに使用している。

【正解】 ③
これは有名な医学雑誌(The New England Journal of Medicine)に報告された研究結果です。「カロリー制限」よりも「低炭水化物」の方が重要なのですね。「低炭水化物」に「高脂肪・高蛋白食」を組み合わせてもダイエット効果は大きいとのことです。

 どうですか?カロリー計算に縛られず、ひもじい思いをすることなくダイエットするならば、「低炭水化物」ですね。

 

 

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糖尿病 シリーズ(7) インスリン注射と視覚障がい者

水曜日, 9 月 29th, 2010

視覚障がい者だけれど、インスリン注射を打たなければ血糖がコントロール出来ない方がいらっしゃいました。やむを得ず、奥様に毎晩1日1回だけインスリン注射を打ってもらうようにお願いしました。幸い、奥様が上手に打ってくださるので大助かりです。血糖コントロールもどんどんよくなりました。
 糖尿病が悪化して失明する方が年間4,000人いるといわれています。この方々のインスリン注射はどうしているのでしょう?やはり、家族がサポートするのがベストですが、1人暮らしの方はどうするのでしょうか?生まれつきの視覚障がい者ではないので、点字を読むのも大変な事でしょう。困った問題です。いいアイデアが思い浮かびません。

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